【寒さと再建おっぱいの関係】

 寒い日が続いています。今日はちょっとマシだけど、全然油断ができないです。

 去年の今頃、ドクターから聞かされたセリフが耳にこだまします。
「シリコンは熱を吸収しないので、冬は胸が寒いとおっしゃる方もいますね」

 はい。その通りです!
 すごく冷たいということはございませんけれども。
 心持ち、左側の胸辺りの方が、右よりも寒い

 それから確かこうもきかされました。

 皮膚は縮もうとする。寒いとなおのこと縮もうとする。(だからお風呂で温めてマッサージをすること)

 このように寒い日が続きますと、その「縮む」ということもなるほどこういうことかとわかってきます。

 いえ、実際、見かけ上とかは縮んでなんかないようだし、もちろん風船みたいに縮むんじゃないんだけれども。

 説明しましょう。

 
 例えばですね、すごく寒い日に、けっこう迂闊な格好をして、外に出たりしますでしょ。
 そうすると肩とか、背中とか、腕とかに力が入りますよね。「ううううう、さむいっ」って感じに体が縮こまる

 そのときに、左の再建したほうの胸が、なんだか”くくっ”とツレるような感じがするのです。
 ぎゅっとにぎられたような・・・・レモンを絞るときににぎって力をいれるでしょう?ああいう感じの圧力を感じるわけです。
 痛いというほどではないですけれども、このままずっと行ったら痛いかもしれない感触です。

 どきっとしますね。「ぐわっ。縮んでしまうのか?」とあわてる。

 だけどほんとに縮んで固くなっちゃっているわけじゃないのです。

 シリコンは体内で作られた卵の殻の下の膜のようなカプセルに包まれて、大胸筋と小胸筋間にあるそうですから、たぶん寒さで力が入って一時的に胸筋が縮んでいて、シリコンをつぶすような圧力がかかり、さらに腕の筋肉が連動してシリコンを引っ張って持ち上げているような形になっているのじゃないかしら?

 普通の自然な胸だと、乳腺とそのまわりの脂肪が筋肉と一緒に動くことに関しては全く”違和感”を感じることはないわけだけど、シリコンはやっぱりよそのものだからさ、「え?何でひっぱるのよー」(なぜか女言葉)みたいに、軽い抵抗を示すのじゃないかと思うのよ。

 筋肉は筋肉で、「つべこべ言わないでついていらっしゃい!」(高圧的)という感じで引っ張るから、それで、一瞬、くくっとツレるような感覚が走るのだと思います。
 
 手術をしたあと1ヶ月以上、腕を挙げないでいたのは、筋肉がこうしてシリコンを引っ張って位置を上に上げることが、また望ましくない”移動”を促す恐れがあったからです。まあ、あたしの場合、ですが。

 とにかくあたしの胸に入ったシリコンバッグは、「上にあがりたいあがりたい。もとのエキスパンダーが入っていたところまで戻りたい」と思っていたようなのです。そのときは。

 いや、あたしとしては上がってくれてもいいんですけどもね。ただし健側もぐっと持ち上がってくれるのでしたら、という・・・まあ、ありえない条件つきだったらってことですが。
このトシになっておっぱい下がっていて欲しい、と望むとは思ってませんでしたわ。はははは。

 それが2度目の手術のあと、バックはやや下のほうで無事落ち着いて、いわばもう上に上がりたい気持ちを忘れたところなわけですね。
 
 だから引っ張られると軽い抵抗感がある。「今さらなんなのよー」みたいな抵抗。
 だからこのくくっとツレる感覚は、シリコンの位置が一応落ち着いた証拠なのではないかと・・・・勝手におもっております。