【ご対面】

 いよいよ修正後のおっぱいとご対面。といっても、その時は上から見たわけですが・・・・・。自分の胸って上からしか見えないから。

 最初に思ったのは、「あ、ぽっこりが消えてる!」でした。
 上のほう、鎖骨の下でいきなり膨らんでいたのがなくなり、なだらかな稜線に変わっています。それが下に向かって膨らんでゆき、そしてまあるい曲線を描いてウエストの上部で止まっているわけです。

 うまく収まって、そうよそうよ、これが正しい胸の形だわよ、というたたずまいになっています。
 内出血も、前の時より少ないのか、表面の皮膚もあまり驚くような色にはなっていません。

 第一、腫れが少ない。前の時は、抜歯の時点じゃまだ腫れに腫れてて、そのせいでまだ大きさが相当あったわけです。だから左右の大きさがうまく揃っているかどうかが、あの時はわかりませんでした

 だけど今度はわかりました
 先生が修正手術の前に、「バッグの大きさはこのままでいいはず」とおっしゃっていたことに、はじめてはっきり納得できました。

 あたしは実はバッグがやや大きすぎなんじゃないかしら?とも思っていたのです。(といってもものすごく小刻みにサイズがあるわけじゃないから、完全に同じってわけにゃいかないのでしょう)

 それでも右と同じ位置にバッグが納まる・・・・つまり、はがした皮膚の分、ゆるみがあるところに、ゆったりと正しい方向で収まれば、このシリコンバッグは、”もともとの胸とよく似ている”と言って差し支えない形とをしているのでした。

 ボリュームも、そりゃホルモン療法にやられてかなーりやる気がない感じにしぼんだ健側よりはいくぶん立派だけども、そんな極端にでかすぎってことはないのでした。

 なるほどこうなるのかー、と感心しながら、ふつふつとうれしくなってきました。
 最初の時もこのようにうまく収まっていたんだっけかなあ?もう覚えていないけど。
 腫れて膨らんでてまだ痛くて、あの時血を抜いてもらったりしたっけ、などと思い出します。
 それにあの時はまだ乳首がなかったわけです。

 今は乳首がありまして、その位置も、右と高さが揃っています。
 これって、バッグがひっくり返っている状態でつけたわけだから、いわば「目分量」だよね? それでも修正後に高さが揃うなんて、さすがプロはすごいデッサン力というか、なんというか......。

 修正手術の時、部分麻酔でやる方法も選択できたのですが、全身麻酔にしてもらったのは、くっついてしまった皮膚をはがすのが、かなり痛い(麻酔をしていても部分だけだとわかる時があるくらい)と聞いていたからでした。

 ドクターは、全身麻酔にすれば「思い切り」できるけど、痛がる場合は「遠慮がち」になる、などと言っていたのです。

 思い切りやってもらった成果、ですから、ああよかったわ。思い切りやってもらってなおも不十分とか、思い切りやれなかったからこのあたりでガマンしてもらわないと、ってなことになったらもう悔しすぎだもん。

 乳首の上を横切る傷口の一文字は、3度も切られたせいか、少しがたがたになっていましたが、ちゃんとふさがっていました。

 例によって抜糸をしてもらいます。
 糸は黒くて、傷口はピンクっぽい。
 スタッフがちょきちょきと糸を切って、ピンセットでそれを抜き取ってくれます。

 抜き取る時に、ちょっとひっぱったら、一箇所血がでたけど、無事抜糸は終わり。 

 スタッフが傷のケアとマッサージについて指導してくれます。
 その指導も、前回の時と、ちょっと違っていました。

つづく。