さよならサンダーバード

 美容院で髪を脱色して金髪になってみた、という前回のつづき。
 
 それでもう何ヶ月ぶりかしらーという、実に新鮮な気持ちでお外を歩いたのです。

 それまで家の中、家族の前では生頭でしたけれども、出かけるときは、仕事でも遊びでも、駅前のスパーに行くんでも、PTAでも、カツラをかぶってましたんでねー。

 それだけじゃないのよ。

ほんのわずかでも他人の目があるところ・・・たとえば玄関に宅急便のおにーさんが来ただけでも、あたしは『激安人毛モテ髪カツラ』か、あるいは『リカちゃん毛髪+キャップ』装着していたのであります。

 ピンポーン、と呼び鈴が鳴ると、「そうちゃーく!」と叫び、BGM(『サンダーバード』のテーマ曲である『Thunderbirds are Go』)を自分でくちずさみながら身支度をしておりました。

 この曲です。
●参考リンク:Thunderbirds ar Go
http://www.youtube.com/watch?v=9RzCB3VRruE

 急ぐ時は『サンダーバード』が「たったららーー、たららったたったらたったたーーーー」(アニメの『やわらか戦車』みたいな声、それでわからないならヘリウムガスを吸ったときみたいな声でお歌いください)と、早回しになるわけです。それで目にも止まらぬ速さで装着するのですよ。

 もうハゲじゃないのに、それだけじゃ見られたもんじゃねーよ、という悲しい頭であるばっかりに、一日何度も『サンダーバード』を歌っていたあたし

 それが晴れて地毛でお外が歩ける!
 なんてすがすがしいのでしょう。
 
 最初は「ちょっと派手かな」と自意識過剰にならないでもなかったけれど、近頃では髪の毛を明るめに染める人なんぞ珍しくもないのです。金髪で町を歩いても後ろ指さされたり振り向かれたりするってこともありません。
 っていうか誰も見てないよね。既婚女が多少大胆な格好をしようが何しようが。

 知ってる人に会ったときは、ちょっとだけ驚かれたけど。約一人絶句している人もいたけど。(知り合いの男子中学生。あとずさりしていたな)

 とにかく。
 もう当分『サンダーバード』(たったららー♪)は歌わないぞ! 

●もういっちょ参考リンク:リミックス版(ちょっと現代的になってます)
http://www.youtube.com/watch?v=X_5MGlRXul0