●フローチャートを作って考えてみる
何がどうなる可能性があるのか、頭がこんがらがりそうだったので、あたしたちはフローチャートを作ってみました。
だいたいこういうやつです。
この図でもっとも大事な部分は、ドクターが勧める温存手術をしてもらったとしても、「形が不満足」で、なおかつ「これなら再建をしたほうがマシなのではないか?」と思われる場合を想定していることです。
「形が気に入らなかったら、放射線をかける前に、やっぱり全摘してくださいってケースはありかな?」
あたしは夫に言ってみました。おそらくそんなことを言う人はほとんどいないんだろうな、と思いながら。
もしかしたら医者が気を悪くするかもしれない、とも思いました。
せっかく温存をしてあげたのに、形が不満だから改めて切って、再建してくれ、というんじゃ・・・。
夫は、再建が”マシ”なしあがりになるかどうかもわからない、かえってアンバランスになる可能性があるんじゃないか、と言います。
その可能性もあります。
だいたい、やってみないうちに比べることができないから苦しむのです。
だけど、手術をする限り、アンバランスであることはもうずっとついてまわること。
どっちがマシかってことについては、複合的かつ総合的に考えなきゃいけない!
まず、最初の手術でガンがすべて取りきれているかどうかは、切り取ったものを病理検査にかけなければわからないのです。
温存手術が必ずしも一度で終わるとは限りません。
あたしの場合、4分の1を切り取ることがわかっていましたから、もしもそれ以上の追加切除があったら、まず満足のいく形は保てないだろうと予想されました。
そのときはいっそ諦めがつきます。
よほどのことがない限り、追加切除があったら、もう全摘をするケースだろうな、と思いました。
追加切除がなくて、ガンが一度で取りきれていた場合。
なおかつ形もこれでいいと思える状態で残せた場合でも、放射線治療で色は変わり、美容的にはさらなる打撃が加わります。
「放射線だけでも30万円ぐらいかかるんだよ。その分、再建にまわしたほうがいいんじゃないの?」というと、夫は
「この際、金のことはいいから。後悔しないようにしなさい」と応えました。
そんな事言ったってなあ。ガンの治療は長いんだもん。
長い間お金がだらだら出て行くんだから・・・・・。
あたしは放射線治療のために週に5日病院に通う自分を想像しました。
30日の間、だんだん皮膚が黒くなり、硬くなり、だんだん懐もさみしくなっちゃって、しかも再建の望みが絶たれてゆく、その可能性をあきらめてゆく、その時間を想像しました。
その間にがんばっているおっぱいをいとおしみ、形がすこし(?)ゆがんでも色が変わっても、また再発しちゃう可能性が6パーセントあるけども、「自分のおっぱいなんだから」と受け入れていかなくてはなりません。
それは、自分にとっては、何だかとてつもなく自分らしくない時間に思えました。
それが悪いわけじゃない。もちろんそれでいい人もいる。
だけど、自分はもっとばっさりした、思い切った人間で、「別に自分のじゃなくたっていいじゃん。Newおっぱいだってさあ」と思う人間なんじゃないのかしら?
だけど・・・・体験しないですべてがわかるほどの人間じゃない。
一度、温存手術を受けてみよう。
どんなものなのか体験するだけでも、自分にとっては大きなことだし。それでそのまま行く気持ちにならないとも限らない。
だって、ほんとに多くの女性が温存手術にこだわるのだから・・・・。
それで、だいたいの方針が決まったわけです。
あたしは自分が「あのー、これ、形が気にいらないんですけど」とドクターに言うかも知れない、そのシーンも想像しました。
ううう。はっきり言って(言ってるけど)相当言いにくいたぐいのセリフだろうなあ。
つづく。
ジャンヌ
実は私2度オペしてます。
1度目は術中迅速診断がついたら全摘と言われてましたが、実際には何も決定的な診断が出なかったので結局生検のみとなりました。
これがいわゆる温存手術ですと、覚醒したばかりの朦朧とした頭に言われたのを覚えています。
この手術では、おっぱいの形は何も変わらなかった。
2㎝位の病巣を採取したそうですが、このまま終わればいいのにと、何度思ったことか・・・
結局病理での永久切片での診断を待って2週間後に全摘しました。
でも、一度切ってるから、正直言って全摘といっても涙も出ませんでした。悪いところが無くなってさっぱりしたくらい。
ところで、乳房再建のクリニックでお話を聞いてきました。
初めてインプラントを見せてもらって、手にとって結構ショックでした・・・意外と硬い、これが入るとどうなるの??って感じでした。今後も自分のニーズにあった方法の研究を続けます。
SYNDI
★ジャンヌさん
病理検査が「切らないと」確実なものにならないのも、悩ましい問題ですね。
あたしは全摘したあと、全体のどのへんにガン細胞が広がっていたか、そのデジタル画像を見せてもらいました。
温存では救えない胸であったことがはっきりしたのですが、それも切ったから調べられたことです。
これが、たとえば「術中判断して全摘しました」と言われても、実際は救える胸を間違って切っていることもありうるわけで・・・・。
手術が2度になるのは仕方がないのかな?
ところで。
コヒーシブシリコンが”意外と硬い”のは確かです。シリコンジェルのバッグのほうが柔らかいでしょう。その代わり破れたらシリコンが漏れて出てしまう。
安全と感触のよさの妥協点といったところじゃないでしょうか?
今抜糸後1ヶ月ですので、その辺のことも書いてみます。
しばしお待ちを。