●乳ガン仲間のありがたさ
全摘して再建するのか、このまま少しの追加切除を受けて温存した胸で暮らすのか、まだいまいち迷っているこの時期、あたしはwebで知り合った乳ガン仲間の人とお会いしました。
その人は同時再建手術を受けており、その鮮明な写真を、添付ファイルにして送ってくれたのです。
実際に再建した胸を見たら、SYNDIさんも決心がつくかもしれない、と言ってくれました。
彼女の胸は、温存では救えないことがはっきりしてたそうです。
見せてくれるとまで言う人がいることに、あたしは感激しました。
webで知り合った、メールのやり取りをしているだけの間柄なのに。
いや、決してあたしは怪しい者じゃございませんけれどもね。
でもだいたいおっぱい見せるなんて、はずかしいじゃん?
普通ないでしょ?
日本は温泉文化があるからそうでもないのか?
いやいや、そういうことじゃないよ!
ほかの患者の力になろう、という考えが神々しいのよ。
めったにあろうとなかろうと、その考えがすごい。
だって医者が見せてくれる写真だけじゃ、リアリティがないでしょう。実際の仕上がりを見てみたい、というのは、患者の本音なのです。
できたら念入りに触ってみたいぐらいだ。(難しいけども)
その日二人で初めて会って、食事して、ほんとにいろいろとおしゃべりしました。
そのことだけで、本当に孤独感がうすれ、勇気がわいてきました。
彼女はあたしがその胸を、指でちょっと押してみた時にも、怒ったりしませんでした。
あたしはその時学校時代のことを思い出しました。
よくロッカー室で、友達があたしの胸を指でつついたりしてたな、って。
今じゃ自分以外誰も見ない(?)バストだけど、女子も(たぶん男子もね)わりと注目してたじゃん、ということを思い出したのです。
そうよ。胸って見る人は見てるわよ。顔の下の、すごく目立つところにあるんだもん。
ノスタルジックな気分であって、それは病気に向き合う現実とはかけ離れていたけれども、それでもなんだか幸せな気がしました。
おっぱいに歴史あり、ってところです。
食事が終わって喫茶店でさらにしゃべり倒します。
彼女もあたしの主治医が、「今の温存した胸でも、再建したのと同じぐらいの仕上がりだ」とまで言ったことには驚いていました。
あたしは茶目っ気を出して、「見る?」と言ってセーターを引っ張ってみせました。
術後なので、ワイヤーのあるブラは禁止されていて、ユニクロの(1000円の)柔らかいブラジャーだったのですが、それも引っ張れば伸びます。
一瞬、彼女の位置から、胸が覗けたと思います。
「あ」と彼女は言いました。
彼女は、冷静に言ってくれました。「形成の先生によく聞いてから決心したほうがいい」と。
全摘をすると、鎖骨の下にある乳腺も切り取りますから、「ここがふっくらすることはなくなる」というのです。
今、彼女が言っていたことがよくわかります。
その時点で、あたしの鎖骨の下、乳房の上側は、皮膚と脂肪に包まれてふっくらと残っていたのです。
今現在は乳腺と脂肪ががそぎ落とされたために、胸筋が皮膚のすぐ下に露出しています。つまりへこんでいるのです。
その部分は再建手術では取り戻せないから、どちらがいいかは簡単には決められない、ということです。
あたしはその日彼女に深く感謝して、別れました。
形成のクリニックで、冷静でいられるだろうか?とちょっと心配でした。
この項、まだつづく。
chami
え~~っ!?
私はてっきり元通りの胸に戻れるのだと信じていました…(涙
そうか、脂肪もなくなっちゃうんだもんね。
あのふくらみはもう過去のものになるんですね…。
全摘したらきれいに再建できる、って誰かが言ってたそんなことを鵜呑みにしてました、私。
温存できれいに残せるのならやっぱりそれに越したことはないんですね、きっと。
私も胸、えぐれてます。
病院でカウンセリングしたら、ちゃんとこの疑問に答えてくれるのでしょうか?
来年1月に初診の予約が入っているので、ばっちり問い詰めてみます!
SYNDI
●chamiさん
鎖骨の下のあたりについては不満を持つ人も多いらしく、あらかじめ「ここは残念ながらふくらみません。気になさる方が多いのですが・・・」と説明されました。
美容整形でシリコン豊胸をする場合は乳腺もその周りの脂肪もあるから、ハリウッド女優のような盛り上がったデコルテが実現するんでしょうけれどもね。
あたしの場合、もともと胸の上側にはあまり脂肪がないのです。
それでも切り取った左側はあばら骨が指に触れるぐらいへこんでいるので左右の違いははっきりわかりますね。(涙)
両手を合わせてぎゅっと力を入れる(ボディビルダーみたいなポーズ?)をすると、左側だけ筋肉の形がくっきり見えます。ものすごく痩せたひとみたいに・・・。
「おおー。こうなっておるのか」とレオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンなんかを思い出しながら観察してしまいます。(ほんとにノーテンキな性格なんですよー)
SYNDI
●chamiさんへ:追記
なお、シリコン再建以外の方法を併用することで、こうしたへこみを解消することが可能かどうかについては、あたしは知りません。
美容整形の世界もいろいろと進歩するでしょうから、何か打つ手がありそうなものですよね。
費用やどのぐらいの時間効果が持続するのかなどは不明ですが、こういうことをやっているクリニックもあります。
http://www.cellport.jp/clinical/
ジャンヌ
chamiさん、SYNDIさんご紹介のセルポートクリニックで少し前にカウンセリングを受けてきました。
こちらの再建方法は温存の方や変形の大きい方の矯正には、とても向いてると思います。自分の組織なので安心できます。
私は全摘なので、もしどうしてもこちらの方法で行なうなら、一回では無理なようでした(脂肪の量が少ないようです)。
でも、今後長い目で見ていくと、この方法は増えていく気がいたしました。
クリニック自体も綺麗で、スタッフ、先生もとても丁寧で感じのよい病院でした。
私の場合は広背筋かなとも思っていますが、スポーツにどれだけで復帰できるか大きな問題です。
再建はある意味、乳がんのオペより難しいですね(-.-;)
まだまだ情報収集中です。
SYNDI
★ジャンヌさん
カウンセリングを受けていらしたのですね。
あたしも、この方法で本当に自分の組織がきちんと定着するのなら、放射線治療を受けた人、温存での変形が大きかった人には福音だと思います。
費用はさすがにかなりかかるようですが・・・。
あたしが広背筋などの自家組織での再建の可能性について主治医に相談した時は「やり直しがきかないので、本当に上手な先生を選んだほうがいいですよ」と言われました。
上手な先生のところには希望者が殺到して、そのことも事を難しくしているようです。
ある病院では「うちの先生はとても腕がいい。少なくとも今まで手がけた患者さんには満足していただいている。だけど、まだ若くて、手術数や経験値について問われるとまだまだです」という言い方をされました。
やってもらうほうはベテランがいいだろうし、でもベテランなら激務でもミスはゼロなのか?とか、どんな名医も最初は新人だし・・・・などなど、ほーんとに難しいです。
ジャンヌさんの納得のいくように事が運びますように。
ジャンヌ
以前SYNDIさんに教えていただいてからすぐに、12月上旬にカウンセリングに行ってきました・・・20分くらいでいける所ですので。
クリニックの感じは凄くよかったのですが、全摘の人をこの方法だけで手術された事は無いようでした。
それに、必要な乾細胞を取るには相当脂肪がいるようで、オッパイが小さい(貧乳とも言う)私でも、2回に分けて脂肪を取る事になるでしょうと言われました。
ただ、放射線を受けてないので皮膚が綺麗なので、適してるようです。
再建乳房の感触は、かなり良いようです。(健側に近い)
私が温存でしたら、近くだし迷わずこちらのクリニックを選んでいたかも知れません。
もし必要でしたら、パンフレット2部いただいてますので、お送りいたします。
時間予約で他の患者さんとは、ほとんど会う事の無いクリニックですが、帰り際にもお客様が来ていたようで、そこそこ需要はあるようでした。
それに費用面については、余り大きな声で言えませんが現在モニターとしての症例写真等が必要だそうで、協力してくれれば、結構な割引もあるそうです・・・これは誰でもという事ではないのですが・・・
将来的にはこの方法は絶対増えると思います。傷口も小さいし、自家再建、感触もいい・・・3拍子揃ってます。
私は乳がんの主治医が信頼してる形成の先生がいらっしゃるので、近いうちにそちらの先生に話を聞きに行く事になるでしょう。
でも、最近全摘したこの胸に慣れてしまった感はあります。
少々ボディバランス悪いけど、やはりどんな事になっていても自分の身体はいとおしいデス!!
chami
SYNDIさん、ジャンヌさん
情報ありがとうございました。
へぇ~今はこんな方法もあるんですね。まったく知りませんでした。
全摘の人は難しいんですか?私なんか全摘+両胸なので
かなり難しそうだなぁ…。
料金なんかも知りたいところですね。
全摘後の皮膚はどうやって伸ばすのだろう?とか
乳輪&乳頭なんかは作ってくれるのかしら?とか
聞きたいことが山のように…頭がぐるぐる。
傷口が小さいってのはやっぱりいいですよね。
まだまだ勉強不足ですよね。
自分の体は一生付き合っていかなきゃならないので
妥協しないでとことんやってみようと思います!
SYNDI
★ジャンヌさん
詳しいレポートをありがとうございました!
なるほど。脂肪注入は全摘に関しては未知数で、ただやっぱり放射線をかけていない皮膚が有利だということには変わりはないのですね?
この方法で気になるのは、注入した脂肪が体に再吸収された時に、大きさはともかくとして、形が自然に保てるのか?ということです。
あたしの場合、健側の”見劣り”がさらに進行しちゃったら考えるかも知れませんね。”おっぱい貯金”が必要だけど。
(笑)
全摘した胸に「慣れる」というのもわりとあることのようですね。
誰かの本に、ピアニストが片側を全摘したあと、バランスが崩れてうまく弾けなかったのが、再建をしたらバランスも戻って元のように弾けるようになった、って話がありました。
その人はそれで満足して乳首にはこだわらなかったそうです。
あたしの知っている範囲でも、乳首をつけなかった例があります。だけどその人は、もう片側を持ち上げるべきかどうかは悩んでいたらしい。
ひとそれぞれですね。本当に。
SYNDI
★chamiさん
そうなんです。
この方法は従来あった脂肪注入より、さまざま改良されている、というふれこみですね。
カウンセリングを無料にするキャンペーンもあるようですから、chamiさんのケースのために話を聴きに行く価値はあるかも!
ただ両胸の再建をする場合は、シリコンで、(極端に痩せているのでもない限り)本当にきれいにバランスが取れた胸が取り戻せると思います。シリコンは形やボリュームに関しては大変整っているからです。
あたしの鎖骨の下も、確かに健側に比べればへこんでいるのですが、家族に言わせれば手術直後に比べたらずいぶん目立たなくなっているから、よく見なければ気にならないそうです。