おっぱい作る工事次の段階

いよいよ今週の土曜日におっぱい切って、中の食塩水が入ったエキスパンダーを取り出して柔らかいコヒーシブシリコンのバッグに入れ替える、という形成手術を受けることになっております。

 今は体力を蓄えているところ。
 風邪とかひかないようにしなきゃ。(あたし以外の家族はみんなごほごほしている。涙。)

 痒くても皮膚をひっかかないようにしなきゃ。(すぐに赤くなったり、蕁麻疹が出たりする弱い皮膚ですの。冷や汗。)

 しかしながらよく洗っておかなくちゃ。(怖くてごしごし洗えなくて、垢がたまっていて形成のスタッフに叱られたことがある。苦笑)

手術は日帰りだけどね。歩いて帰ってくるんだよ。はははは。大丈夫なんだろうか?
 
 再建のプロセスについては何度かここに書いていますが、もう一度おさらい。

 再建手術はバッグの入れ替えで終わるわけではなくて、抜糸のあと、また胸が落ち着くのを数ヶ月待って(筋肉の腫れがひくのを待つとか、皮の伸びかたが平均するとか、それにしたがってバッグの位置が落ち着くとか、色々「待つ」理由があるのであろう)それから乳首を形成する手術になります。

 何か問題があれば乳首を形成する前に調整するのでしょう。
 乳首がつけば「完成」。できあがりー、です。

 考えてみると「建設中」の期間は結構長いですわね。
 全摘同時再建(ガンのある乳房を切り取る手術と同時にエキスパンダー装着)が2006年1月終わり。
 それから少しずつ水入れて8ヶ月。今に至るわけで。

 このあと乳首を作るまでどのぐらい待つか、それは人によるでしょうが3ヶ月待つとしたら、これでだいたい1年間ですね。
 待ってるうちに「まあいいや乳首なくても」と思ってしまう人もけっこういるらしいよ。

 1年の間、精神的に「工事中」のヘルメットのおじさんの看板がくっついているわけです。
 別に誰にも「ご迷惑おかけします」ってわけではないですが。
 見た人はちょっとびっくりするかもな。
 普通見せないけど。
 岩盤浴行った時も隠してました。一応。(笑)
 
 再建には他の方法もありまして、最初からエキスパンダーではなくて、あとで取り出さなくてもいい人工乳房を入れてもらう、というのもあります。 
 その場合は食塩水ではなくて、シリコンを外から注入して、大きさなどを調整するらしいです。乳首を温存する場合もあります。

 リンクを張っているお友達のるいさるさんはその方法を選択しています。(出来上がりの写真もwebで公開していらっしゃいます)
 そうすると、手術が一回で済むわけ。その点ちょっとうらやましい。

 ただ、柔らかさとかが少し違うようです。
 その他色々細かいところに条件の違いが影響してくると思われます。皮膚の伸び方とか切った時の残し方、どのぐらい中身を注入するか、など。
 
 例えばあたしの場合乳首側切断面にガン細胞が残っていましたので、乳首の温存ははなから無理でした。
 
 それに形成をする人のご都合というのもあります。
 形成というのはとにかく「きれいな仕上がり」というのを目指すわけで。乳首の位置のバランスは重要!なんですね。

 「乳首は残さないほうが仕上がりがきれい」(位置がずれてしまうなどのリスクが少ない)ってことは、一般的に言われているようです。

 るいさるさんの場合は乳首の位置がずれてませんから、ドクターの腕もよく、いろんな条件が運良く揃っていたのでしょう。ああ、若いってすばらしい。(何の話や)

 で、あたしのように片っ方がすでにちょびっと垂れている場合は・・・えっと、どうなるんだろうな?
 垂れた人用のシリコンてのはないそうですから、たぶん作った方の胸だけ、若返っちゃう、といった見かけになるのではないかと。

 ドクターの目を見てますとね、「ああ、もう片っ方もついでに直してしまいたいと思っているんだろうなー」とは思うんですがね。「ちょっとだけあそこを切ってきゅっと持ち上げて・・・」とか、きっと思ってる。きっと。

 あの、だけど年齢と共に垂れるのは普通で、病気じゃございませんので。とりあえずはいじりません
 そういうのは老後の楽しみ(?)にとっておこうと思います。

 片っ方は年取らなくなってしまいますので、左右の差が激しすぎるなあ、ということになったら考えようかと。

 お前、それ顔や体型の他の部分とのバランスがどうなってるか冷静に見ろよ、胸だけ左右ごりっぱになってどうするんじゃ、ときっと夫が突っ込むだろうな。

 うー。うー。いいや、その時また考えよう。


 ドクターにはそれぞれ得意なやり方というのがあるでしょう。たぶん。
 あたしは今の形成医にやり方のすべてをお任せしているわけです。それでこのようなプロセスを踏むんですわ。
 
 これからしばらくは、「なぜ、乳房再建に至ったか」って話、その”アミダクジ的選択の道”について書くつもりです。

 無くなった乳房のふくらみを取り戻すかどうかは、担当外科医とも、家族や周囲の人間とも、色々とやり取りをした上で決心したのです。

 話し合いながら、これはおっぱいについての考え方がモロに出てくるビミョーなissueだと思いました。
 セクシュアリティや、自己イメージや、その他の価値観も絡みます。(例えば保険適用ではないので費用がかさむことについての考え方など)
 考え方は実に人ぞれぞれなのです

 時には頭に来たり悲しくなったりしながら、あたしはある時ある時点で、「再建することに強くこだわる」ことを決心したんですよ。 

 てなわけでつづく。