闘病と闘ドジ

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 2005年の9月、しこりがガンであることがわかって、検査やら治療やらで、病院に行く事が生活の中に入り込みました。
 当然その分忙しくなります。
 手帳のスケジュール欄が、色とりどりになります。

 ところがですね。
 手帳にきちんとつけていて、カレンダーにも書き込みをしていますのに、あたしは医者に行くのをころりと忘れていたことがあります。それも複数回。

 朝に予約が入っているのに頭が重くて起きられず、昼頃おもむろに活動がはじまってから、「ありゃ?今日は何か忘れていたような?」などと思い出すのです。
 忘れていたことがわかると、心拍数が爆発します。
 宿題を忘れた小学生の心境。

 一度目の時は「やーだなー。ボケたか?」と思いました。
 しかし、二度目にそれがあった時、「んー?これはおかしいぞ」と考え始めました。
 そりゃあたしはドジな人間ですが、こんなにもひどくはないはずなのです。 

 三度まで似たようなことがあったとき、悟ったのです

 あたし、病気のことを考えたくないのだ、と。
 自分を病気だと認めたくないのだ、と。

 脳の血流がが”そのへん”を避けて通っているんじゃあるまいか、と思われるぐらい、スポッと記憶が落ちてしまう。
 PTAや買い物や仕事の締め切りや展覧会やコンサートは忘れないのに、病院に行く日は忘れてしまう。
 
 あたしは同じ乳ガン仲間に、「もう二回も忘れた。すごいだろ」とメールを書き送って”笑い事扱い”にしてましたが、仲間は慰めつつもあきれたかも知れません
 
 大事な手術の前によりにもよって、という感じのドジが続きましたので、家族に言われました。

入院の日を間違えたりするんじゃないの?」

 おかげで、こればかりは一生懸命頭に入れまして、無事入院することができたんですけどね。
 それでも何か重要な書類など忘れるのではないかと、ひやひやしました。 (初診の時にレントゲンやMRIの写真資料なんかを忘れて病院に行った前科モノ)

 夫は付き添ってくれながら、「受付で今日じゃありません、とか言われるんじゃないだろうな?」と皮肉を言いまくっていました。

 やれやれ。