カツラをめぐる冒険2

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:


 そしたら、わりとまともなもんがあるじゃないの。
 しかも安いのよ!6000円ぐらいからある。

 若い販売員が声かけてくれるんだけど、試着するには生頭になんないとならない?
 それってためらわれるし。

 パルコのなかで、通路から見えるしな。
 ほかのお客さんビビるとなんだし
 みんな思い切り若そうだからな。
 怖がるかもしれないぞ。

 なので、言ってみました。
「あたし、今抗癌治療中で、頭髪がないんです。この髪もウィグなんです。試着したいけど・・・・」

 そしたら「今、試着室空けます。荷物いれちゃっているから」とかいってな。
 あったんだよ、洋服屋さんと同じカーテンつきの試着室が。(倉庫兼用風だが)

 そこに、鏡もあって。
 おねえちゃんが次々とお勧めのウィグを運び入れてくれるわけです
 洋服屋さんとまったく同じですね。

 で。わかったことがひとつあります。


 あたし、もともとあまり高価なカツラを買う気はなかったんで、リカちゃん毛髪の仲間、つまり人工毛で十分だ、と思っていたのですが、天然の人毛には大きなメリットがあったんですわ。

 それは、「薄くできる」ってことなの。
 ボリュームが自然ってこと。

 見た目が自然なだけじゃなくて、薄めに作ることができれば、涼しいし
 まあ、「まし」って程度だけど、とにかくカツラって、毛皮着てるみたいに暑いから。  
見かけの面で言えば、あたしは自分の毛がもともと細くて量があまりないんで、毛の量が多い感じがするだけで、「ズラでえーす」に見えるんだわよ。
 だって、そんな頭だったことないんだから。

 髪の毛を膨らませて、形をつけた、いわゆる「きれいにカットして、セットしてあります。がんばってます」みたいな髪の毛も、キャラに合わない
 キャラに合わないから「ダサい」わけなのね。

 人工毛は毛量を多くしないと形がつかないので、どうしてもそっちにいかないとならない。素材的に。

 だけど、人毛だったら、あたしのような、少し髪の毛の量が少ないですー、という雰囲気のものも作れるわけなの。

 リカちゃん毛髪状内帽子が、何で人にズラだとばれないかといえば、「毛の量が少ないから」。
 これに尽きる、ということがわかったのですわ。

 で。髪の毛の量が一番薄い製品、それは人毛のものでした。
 2万3千いくらか。
 これは、人毛としては、激安!のたぐいです。
 
 あたしはそれかぶって店の中に出てみました。

 つづく。