失われた左乳房の再建も最終段階を迎え、一応ふくらみも乳首も取り戻した状態になってもう2ヶ月という頃。
1ヶ月はゆうに乾かなかった我が乳首(新しいほう)ですが、いったん乾いた後、世の中が暑くなって汗をしこたまかくようになったら・・・・なんとまたぐじぐじになってしまいました。ショック。
スポンジの下にガーゼを当てていないとスポンジに血だの体液だのがしみこんで、あまり衛生的ではありません。
しかも!見れば古いほうの乳首(移植のために皮膚を取ったため、まだサージカル・テープで傷を保護してある)の一部もただれているではありませんか!
なんて付き合いがいいのでしょう。そんなもん、左右一緒に付き合わなくてもいいのにねえ。
というより、要するにあたしは皮膚が弱いのです。
弱い皮膚を移植したんですから、仲良く左右弱いということなんでしょう。
あたしは形成のクリニックに電話をして、「またぐじぐじになっているんですけれども、どうしたらいいでしょう?」と相談しました。
そうしたら、乾かすために、しばらくスポンジ(あたしが言うところの”秘密兵器”)をはずして、ゆったりしたブラにして、きついお洋服なども避けてください、と言われました。
それが4日間ぐらい。
その後はまた、乾いた状態になりました。
乾いたのでスポンジドーナツの装着を再開しました。
乾いてほっとした・・・ことはしたのですけれども、スポンジをはずしている間、やっぱり乳首は圧迫されていたわけで。
なんか・・・フラットになってます。
いやー、手ごわい。なるべく大きめで先っちょのとんがったブラをしていたんですがねえ。
乳首の一番高いところはどこですかー?みたいな感じなんですよ。よーく見ればわかりますけれども・・・・非常にあいまい。
”秘密兵器”(スポンジドーナツ)を当てるのも、この作りたての新しい乳首がかくも「つぶれやすい」からなのです。
皮膚を乾かすためとはいえ、このようにつぶれてしまってはなあ・・・とあたしはがっかりしておりました。がっくりというか。脱力!というか。
この乳首ですが・・・指でつまむようにマッサージしていると、だんだん高さが出てくるのだそうです。
「痛いときはしないほうがいいですけれども」と、形成の看護士さんは言っていました。
痛いもなにも・・・・感覚は非常にぶいのです。乳首のくせに、といってはかわいそうなんだけど、切ったあとはまだ神経が再生されていませんから、何かしみたり、ちくちくしたりすることもないのです。
ぐじぐじになっても、目で見ないと気が付かないくらいですから、痛くはないです。
どっちかというと、それが不安なんですよね。
こんな、ケガしちゃってるような状態なのに痛くないってところが。
例えば爪なんかが伸びていて、間違って引っ掻いてしまっても、あんまり痛くないんじゃないかと思います。今。
ともあれ今はまた乾いていて、少しぼろくなったスポンジドーナツをだましだまし装着する毎日。
古いほうの乳首の周りにはサージカル・テープを貼り、だいたい数日に一回(これはあんまり取り替えなくてもよいことになっています)貼り直しております。
いやー、なかなか素直にいかない、というか、何事も難しいハードルが控えているもんなんですね。
気を取り直して、今後少し、その『案外すんなりはいかない再建の道のり』について、(医学のことはちょっとおいといて)感情的(!)に書いてみようかと思います。