ともあれ。
乳頭を作る日帰り手術のあと、かゆさを我慢する風呂なしの2週間を耐えた後、抜糸。
秘密兵器:スポンジドーナツを渡されてお風呂が解禁になり、そのまた2週間後に傷が乾いているかどうか点検する診療、という手順で、だんだんと乳房は「完成」に近づいて行くのでした。わくわく。
しかしながら。
傷は乾きません。なっかなか乾かない。
じくじくとした汁がしつこく出ていて、それが乾くと黄色っぽいかさぶたみたいのになります。
夜、お風呂に入ると、その黄色いかさぶたがふやけてへらへらっとはがれてしまい、またその下から痛々しいような赤むけの皮膚が出てくる、という繰り返しでした。
そこにスポンジドーナツを当ててますから、はがした時にはスポンジにはけっこうな量の黄色い汁と血液の混じったやつがこびりついていたりします。
いくらなんでも不衛生なので、スポンジドーナツは石鹸で洗っちゃいます。
きゅっと絞ってタオルでも水気を取って、替えはありませんから、またそれをサージカル・テープで貼り付ける(汁が多い時はホータイを切ったやつを丸く切り抜いて重ねて当てて)、ということを毎日やってたんですが・・・・とにかく乾かないんですよ。
気が付くとブラジャーにもしみ出して固まったやつがこびりついていたりしました。(へそのゴマのにおいがするんだよね)
で。
そのような作業を毎日してまして、とても気になることがありました。
それは、作った乳首の位置が、健側よりやや下過ぎなんじゃないか?ってことでした。
右の乳首は皮膚を取った後、ほんの少しですが、位置が上に上がっています。それに対して、左の乳首はどうも平行についていないように見えるわけです。
「なんかねー。ちょっと位置が下過ぎのように思うのだが・・」と夫に言ってみます。
「そんな初歩的なミスはしないだろう。その辺は信頼するしかなかろう」というのが彼の意見でした。
そりゃそうです。年間何百とおっぱい作っている先生なんだから。
乳首の位置をそろえるためにわざわざ本来あったものを取っちゃって、作り直しているんだしな。
乳首は伸びたり(皮膚を取ったほうの健側の乳首は大きさが戻ってくる)縮んだり(皮膚を移植した方の乳首は、時間とともに縮小して来る)するってことは、説明されていました。 (過去のエントリーにも書きました)
その”伸び縮み”でバランスが揃ってくるのかしら?
それにしても・・・・。何だか前より作った胸が張り出しているように思えます。
なだらかに膨らんでいる、というより、急激にぼん、と膨らんでいるのです。そのせいで鎖骨の下のへこみも前より目立つような・・・?
「こんなだったっけか?」
前と形がちょっと違う気がするが・・・?
ぼん、と上が膨らんでいるので、なおさら乳首が下過ぎるように見え、全体的に”ごめんなさい”とうつむいているような、申し訳なさそうな(?)胸に見えるじゃん?
鏡を見つつ、色々と不安が立ち上がってきます。
乳首乾かないし。
もしも診療の日に、「まあ、2週間経ってもこんなに傷が治らない人なんかいないのに」とか言われたらどうしよう?
万が一乳首の修正をするのに、またお金がかかったりしたらどうしましょう?
この何だか過剰に上がぼん、とふくらんでいるのは、抜糸までの間にマッサージを休んだ間に皮膚が縮んだりしたせいなのかしら?
しかし。
抜糸後はマッサージは再開しています。触った印象では皮膚が縮んだという感じはしていませんでした。
あらかじめ言われていた通り、むしろ乳首の分量だけゆるんで、柔らかくなっているように思います。
うーむ。悩んでも仕方ない。
今度の診療の時にちゃんと聞いてこよう、と決心します。
まあ、どんな最悪な事態になっても、やり直しのきかないことは何もないし、という考え方を採用。
そして傷はとうとう乾かないまま、診察の日が来たのでした。