再建にこだわるあたし15

●全摘を決心

 で。形成での説明を聞いて後、あたしは全摘をしてもらって、同時にエキスパンダーを入れてもらう、という術式を選ぶことを決心するに至りました。

 メリットと デメリットをはかりにかけた結果です。

 全摘と再建のメリットは

*乳房の局所再発のリスクが3パーセントまで減る。

放射線を当てる必要がなくなる。(週5日の大変な通院とその費用を節約できる。皮膚の変色や硬化も避けられる。)

*美容的には、今はかなりきれいにできる。少なくともボリュームに関してはほとんど心配ない。(ちょっと固かったりはするけど、ちょっと見た目はわからないぐらいの出来になる人も多い)

 その他、次のような事情もありました。

乳首は自分の組織でできる(片側から切って移植する場合。これには保険がきくため、費用もこの部分は安くなる)

*聖路加の乳腺外科の先生たちはみんなエキスパンダーを入れるのには慣れていて上手。(したがってへんな結果になるリスクは最小)

*全摘と同時にやってもらうので、エキスパンダーを入れる部分の手術費用はタダになる。(なぜそういうことになるのかについては、項を改めて書きます)

*シリコンを使う再建はもうこの先入院の必要がなく、カラダへの負担が最小限

 さらに。
 こういうこともちらと考えました。

*シリコンバッグをカラダに入れて暮らしてみて、本当にそれが快適でないのなら、将来自家組織再建でやり直すことも可能だろう。(お金さえあれば)

*将来もっといい器具が出来たら入れ替える、という選択肢もある。(要するに人口物はやり直しがきく

*万が一もう片方にもガンができて切ることになっても、またシリコンが使える。(バランスが取りやすい)

 だいたいこういったことが理由でした。

 夫も、形成外科でのカウンセリングの結果を聞いて、「全摘だな」と言いました。

 さあて。再び入院の準備です。
 形成のクリニックににエキスパンダーの代金約10万円を振りこみ、それを聖路加に送ってもらうように手配しました。
 こうした器具はアメリカ製で、個人輸入のような形で取り寄せてもらうのです。