●放射線が再建を難しくする?
10月25日のエントリーのつづき。(間があいてしまいました)
さて。乳房の一部切除(温存)と全摘出&再建とを比べた場合、どちらがより自分の希望に沿った結果になるのか、というのは、そうは簡単なことではないな、と思いましたっていう話でしたね。
美容は主観も入るし、再発その他に関わる運も、医者の腕も、その後の自分の心の成り行きにも影響されるから、「希望に添った結果」は簡単には見えてこないのです。
簡単なことではないのですが、実は考える時間はあまりありませんでした。
今考えないとならない、告知を受けて、最初の手術を受けるその時点で、自分がどのように考え、感じる人間かを、ある程度わかっていないとならなかったのです。
というのは、温存をした場合、その後再発のリスクを減らすために、放射線をかけなければならず、放射線は、皮膚を硬くしてしまうので、その後将来にわたって再建を難しくするからです。
この話を主治医から聞いた時、あたしは「えええええ?」と心の中で叫びました。
うそだろ?と椅子からたちあがって叫びたいぐらいの驚きでした。
だいたいガンが見つかってしまった人は、まず命がどのくらい危ないかを考えざるを得ないわけです。
はっきり言ってこの時点で美容のことを考える心の余裕のある人はあまり多くはないでしょう。
周囲の人間もそうです。
「とにかく命を救ってほしい」と家族は思います。
そこにもおっぱいの形がどうなるかとかそういうことに頓着する隙間はありません。
本人も周囲も考えられない状態。
本来なら命のことがカタがついてからゆっくり考えたい事柄でしょう。
しかし、「温存でお願いします」といった時点で、もう、シリコンでふくらみを取り戻す、という方策への道は絶たれてしまうのです。
その後また再発するかもしれないのに?
そしたらさらに切るのに?
なんのこれは。
あたしは唖然として、また調べ物をはじめました。
つづく。