カツラをめぐる冒険7

 無事に仕上がったそれをかぶって家に帰ってくる道すがら、ずっと後ろについて歩いている人がいました。

 帰る方向が同じなのであろうと思って(さすがにストーカーか?などという疑いは持たない、あまり自意識過剰じゃないあたし)道曲がる時に振り向いたら、我が夫じゃないのさ。

 「どうも似てるなーと思いながら確信がなく」ということだったらしい。
 がははは。そりゃそうだ。いきなり髪の毛伸びてるし

 見慣れるまでは、変な感じするでしょう。
 ふだん生頭を見慣れている家族としては余計にそうです。
 
 これであたしには三種類の頭があることになりました。すなわち、

①生頭(生え始めたタワシ状白黒毛髪つき)

②リカちゃん人形状毛髪付き内帽子(キャップと一緒に使用する。キャップは脱ぐことができない。全然バレない。)

③若者用激安人毛フルウィッグ(②よりちょっと長くて色は同じ。脳天にも毛があるので、これで晴れて人前で帽子を脱ぐことができる) 


 もう一つ最初に購入した立派な値段の人工毛フルウィッグがありますが、あまりにも似合わないせいで変装チックに見えるため、出番がないです。
 何に変装しているかというと、JB。
 そうよ。あたし発見したの。太ってからのジェームス・ブラウンに程近いのよ。あーた。
 だから少し前衛的にカットしてもらったんだけど、それでもJB臭が抜けませんの。

 夫に言わせると、新しい若者向き激安人毛カツラが一番”姑息な”スタイルであるそうです。
 首のあたりにまとわりつくシャギーの感じとか、顔を小さく見せかけようとして半端にかわいくほほのあたりでウェーブしてる様子が・・・・と、なぜかいまいましげに語る夫。(笑)

 要するに非常にフツーなのですわ。よく電車の中で出会うスタイルです。
 きっとこれもばれないと思う。たぶん。

 で。「はっきり言って一番おしゃれなのは生頭だな」だそうです。
 これで外に出る勇気はないけどもなー。

 ないよ。
 今のところ。