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 6月に乳首の修正を始めたって話の続き。
 
 皆さんお聞きになりたいのは、お値段のことじゃないかと思います。健側からの移植じゃなくて、ゼロから乳首を作って、イレズミで色を入れるとなると、全部で20万円ぐらいかかるのだそうです。

 でもね、これはもう乳首はある状態で、乳輪も欠けてはいるけど一応あって、イレズミ入れるところは少々、っていうか、白くなっちゃった部分の修正ですから。それで7万円ということで手を打っていただきました。
 これはあたし用のイレズミのお色を作っていただく費用を含んでおります。それを保存しておいてもらうのね。それで、万が一また色が褪せたら、またその同じ色を使って何度も修正できるのです。(その際新たにかかる費用は1回につき2100円だけ)だからこれは"イレズミ会員権"を買うみたいな感覚ですわ。
 
 お金を払って部屋に入りますと、担当のナースがあたしの希望を聞きながらまず色の調合をしてくれました。イレズミの施術はドクターじゃなくてナースがやります。箱にぎっしり、 たーくさんの小さな絵の具のチューブみたいなもんが並んでいます。、そこから何種類か搾り出して、あたしの乳首にもっとも近い色を作るのです。

 もうねえ、うずうずするわよー。あたしは絵描きだからさ、脳内が「それ、あたしにやらせてー」って叫び出すの。ううううう。テキスタイルデザイナーだったこともあるのよ。絵の具の色合わせはすごい得意だったのよ。見た色をそっくりにポスターカラーで再現したりできるのよ。ホントよ。

 あたしがよほど「やりたーい」てな顔をしていたせいか、担当ナースが聞いてくれました。「お仕事は、絵をお描きになるんですよね?」

 「そうです!イラストレーターです。そういうの得意なんですよ」思わず乗り出しそうになるあたし。職業病です。質問もしちゃう。「それは・・・・見かけの色と刺したときの発色は違うんすか?」

 「その通りです。違うんです。それに皮膚が一枚かぶさりますから、その状態を想像して似た色を出さないとなりません」
 「おおおおお。なるほど。ポスターカラーも乾いた時は色が違うの。だからサンプルを紙に塗って乾かして色合わせをするんですよ」
 「そうなんですか」
 「そういう色出しの技術とか加減とか、習うんですよね?どうやって習うんですか?」
 「一応習いますけれども、一番大事なのは経験です。経験して工夫してだんだんわかってくるんです」

 そうよね。ほんとそう。色のことは学校で習うことじゃあなくて、自分の五感で覚えてゆくことだわよね。
 担当ナースは余裕の笑みを浮かべました。きっとたーくさん乳首のイレズミをやって、経験を積んできたんでしょう。色出しだって、肌色専門っていうか、乳首色専門?そのあたりの色相に非常に細やかな感性を育てているに違いないです。

 出来上がった色を健側の乳首のそばにちょっと塗ってみて、乾かすと、なるほど!よく似ています。さすが乳首色専門家。

 それを、針を何本か束ねた極少剣山みたいなお道具でちくちく刺してゆくのです。イレズミですから真皮まで入れます。痛いので部分麻酔をします。

 ええとねー。それが痛いのよ。何がって、麻酔の注射が。

つづく。

【いよいよ!乳首の修正開始】

 お久しぶりでございます。
 笑うのんびり乳ガン患者、SYNDIです。

 ところで。とうとう始めました。再生乳首の修正。遅くなったけど。もうこれでいいかにゃーなどとだらけかけたけど。やっぱり自分のお乳には関心を払い続けないとねー。そして関心を払えばちょっと不満も出てくるのよ。

 それの報告をする前に、今までの流れをおさらいいたします。患者として、あたしはざっと以下のような検査、治療、手術、乳房再建手術をやっております。

2005年9月 左胸のしこり発見

2005年12月 セカンドオピニオンを得たあと聖路加国際病院に入院 左胸温存手術

2006年1月 断端陽性。左胸全摘同時再建手術(エキスパンダー挿入)

2006年3月~5月 化学療法 化学療法終了とともにホルモン療法開始

2006年10月 ブレストサージャリークリニックにて、エキスパンダーとシリコンバッグを取り替える日帰り手術

2007年3月 乳首の形成手術(右乳首と乳輪から移植:これだけは保険適用)

2007年10月 さかさまになってしまったシリコンバッグの上下を戻す手術

*間をかなりおいて

2009年6月 イレズミによる乳首の修正をはじめる(まだ未完成)
      ホルモン療法(ノルバデックスによる女性ホルモンの阻害)続行中

ざっとこんなもん。

 で。乳首がどうにも色白になっちゃって、それが問題だったわけです。移植皮膚の生着のムラによって、丸いはずの乳輪にもパイカットみたいな「欠け」があるし、縫ったところがなんだか総じて白くなるんで、右(健側)の乳首も皮膚を取ったあとがドーナツ状に白くなってました。

 それで、それをイレズミで修正するってことにしたんだけども、その前にもうどのぐらい白くなっちゃうんだか、ちゃんと待って様子みてからにしよう、と思っていたわけ。
 もうねー。色白だったわよー。乳首のくせに。これは体質なのね。でももうこれ以上は色も抜けないだろうな、というところまで来てました。

 一回目のイレズミは6月でございました。
 具体的にどんなことをするのかってのは次のエントリーに書きましょう。

 つづくー。

【色白乳首と傷跡について】


 さて。乳首問題をよーく考えるために、あたしは少々時間をおくことにしました。
 現在の左乳首は、このブログを最後に更新した3月の時点よりも、さらに!色白になっているような感じです。
 以前に書いたように、要するにケガをした場所の皮膚が白っぽくなる体質なのですわ。

 ががーん。パイカット(丸いはずのものが三角のカケがある)である上に、このままどんどん色白になってしまうのでは?あたしの本体は別に色白でもなんでもないのにー。

 フツーの皮膚でしたら、色の白いは七難隠すなどといいますが、色白の乳首はあんまりうれしくないですわよね。だいいち乳首らしくない。せめてピンク色とか、そのへんで止まっていてほしいものです。

 時間を置く、というのはこういったことを観察するためもあります。
 もしも、焦って何万円かかけて刺青をしたとしても、また色が褪せてしまう体質かもしれません。
 とりあえず、どこまで色が抜けてしまうか、焦らないで見ていよう、という・・・・。
 形成のドクターにも1年でこのぐらいまで色が褪せてます、ってことを見せてから、色々調整してもらっても遅くはないのじゃないか、と思ったわけです。
 中には刺青が濃くなりすぎて困る人もいるらしいので、ニンゲンは色々です。
 形成医には、後に続く他の患者さんのためにも、さまざまデータを集積していただかなくてはなりません!