さて。移植された皮膚はそこに”着く”のにたっぷり一週間はかかるのだそうです。それが落ち着くのにまた一週間。
ですから、片方から取った皮膚で乳頭を作る手術のあと、抜糸をするのはその2週間後でした。
抜糸まではガーゼと絆創膏で胸が固めてあります。
つまりね。2週間は自分の乳首は見られないのです。
ガーゼは絶対に濡らしてはいけないので、お風呂は禁止。下半身のシャワーだけです。上半身は拭くしかない。
「それから辛い食べ物などは控えてください。汗をかくとガーゼが濡れてしまいますので」と、説明されました。
ああ、坦々麺とかキムチチゲ鍋とか、トムヤムクンとか、インドカレーとか・・・・。
好物のにおいが鼻腔によみがえります。
確かにあれらは汗かきますよね。
要するに血行がよくなるようなこと・・・・運動、入浴、辛い食べ物などは、しばらく禁止ということだそうです。傷からの出血を増ややすリスクがあるし。
血が止まった後もガーゼを濡らすようなことは絶対に絶対に避けること、と念をおされました。
生着のためでしょう。ばい菌が入ったら大変だし。
半身浴は原則OKですが、あったまって汗をかいてしまうなら、ダメ、ということになります。
ああ、夏じゃなくてよかった。
だけどとりあえず美容院に行って超ショートにして、また脱色(金髪に)してこよう、と決心します。
その他、「血が止まらなくて、ガーゼの上まで血が滲み出してくることがありますが、そういう時も、絶対にガーゼをはがしてしまったりしないでください。時々びっくりしてはがしてしまう人がいるんです。いつまでも止まらない場合は連絡ください」などと、細かく注意を受けました。
化膿止めの飲み薬ももらいました。一日分ですが。
うつぶせに寝ることも禁止されました。
翌日、移植した側に当てたガーゼには血がにじんできていました。
だけど、ブラジャーに染み出してくる、というほどではなく、まもなく止まって、ガーゼが黒っぽく乾いてきました。
「まあ、大丈夫だろう」と判断します。
が・・・・。
初日から皮膚が猛烈に痒い!
絆創膏の下の皮膚がかぶれきっているのが、見て取れるほど。真っ赤になっちゃって。これには参りました。
「眠っているうちにかきむしって、あーっ、乳首が取れてしまったーっ!ガーゼだと思ったら乳首付きだった!てなことになったら困るよねー」などと、娘が怖がるようなスプラッタな冗談を言って紛らわせますが、それでも痒い。(涙)
仕方がないので虫さされに塗るようなかゆみ止めを絆創膏のきわまで塗って引っ掻くのを我慢しました。
ううう。ただでさえ慢性蕁麻疹があるのに・・・。
髪の毛を洗う時は、下半身シャワーのついでに、シャツを着たまま(少し水が落ちても胸元は濡れないように)お風呂場でやりました。
あるいは「ドライシャンプー」というムースみたいなやつで汚れをふき取っていました。
それでもなんとなく頭も痒くなってきます。
1週間を過ぎると、鼻が異常にいい我が娘が、「家の中がママ臭い」と、言い始めました。
「ママが生きている証拠だ!がまんせい!」という”根性論”で切り抜けることにします。
そうこうしているうちに2週間経ち、いよいよ抜糸となりました。