2007年4月アーカイブ
髪の毛が抜け替わるにあたり、自分の頭からはなれていく頭髪を見ますと、何だか鼻の奥がつーんとするような、懐かしい気持ちになります。
ブラシを使って、そのブラシに残った毛ですとか、黒いセーターに落ちて目立つその黄色っぽい毛ですとか・・・見ると遠い昔を思い出すのです。
ん?なぜこんな気持ちになるんだろう?自分?
さて。
抗がん剤による脱毛のあと、また生え戻った髪の毛をベリーショートの金髪に脱色してのち、もうじき半年ってタイミングになります。
もうすっかり目が慣れてしまい、あたし生まれた時から金髪だったかも(ウソつけ)というぐらい落ち着いているのですが・・・・まあ問題もあります。
入れてあるシリコンバッグが回ってしまう、実際回ってしまっている、という問題の話の続き。
形成のドクターの説明をはしょりますと、こういうことになります。
●バッグが”正常な位置”に戻れば、今下がっているかのように見える乳首の位置が右側と同等に上がり、左右のバランスは問題なくなる。
●戻すための方策として、さらに1ヶ月のマッサージを試してみる。(その際、方向を意識して、ぐるぐると回す、ということをする)
●1ヶ月でどのくらい動くか(戻るか)観察したのち、次の手を考える。
●全然戻らない場合(!)もう一度麻酔をかけて切って(!)バッグをぐるっと回すという手術をすることになる。
●その際、また再び回ってしまうのを避けるために、上のところを皮膚に縫い付けて”固定”する、ということをすることもある。
「でも、それはひきつれたようになることもあるので、あまり・・・」
審美的ではないってことですか?先生?
2週間の間、乾かない乳頭部分にせめて洗ったスポンジ・ドーナツをあてて保護して、診察の日は来ました。
「乾かないんですよね。ずっとじくじくしているんですが」
それに対し、ドクターのお言葉は、「みなさん、このぐらいですね。どうしても」でした。
とりあえず安心していいようです。みんな移植した乳首の皮膚はなかなか正常な状態にはならないのですね。そんなに簡単じゃないわけです。
こんな風に擦りむいたひざ小僧が繰り返し繰り返しむけちゃっているような感じで何週間も過ごすということらしい。
”赤むけ問題”の疑問が解決したので、あたしは思い切って一番気になっていることをきいてみました。
「乳首の位置なんですが・・・ちょっと下過ぎませんか?」
ともあれ。
乳頭を作る日帰り手術のあと、かゆさを我慢する風呂なしの2週間を耐えた後、抜糸。
秘密兵器:スポンジドーナツを渡されてお風呂が解禁になり、そのまた2週間後に傷が乾いているかどうか点検する診療、という手順で、だんだんと乳房は「完成」に近づいて行くのでした。わくわく。
しかしながら。
傷は乾きません。なっかなか乾かない。
じくじくとした汁がしつこく出ていて、それが乾くと黄色っぽいかさぶたみたいのになります。
夜、お風呂に入ると、その黄色いかさぶたがふやけてへらへらっとはがれてしまい、またその下から痛々しいような赤むけの皮膚が出てくる、という繰り返しでした。
乳頭形成手術の抜糸の日に渡された秘密兵器というのは、厚さ1センチぐらいのスポンジを小さなドーナツのように切ったもの。
これをですね、作ったほうの乳首にあてて、テープで留めておくのです。
そうすると、ドーナツの穴のところに”できたての乳首”がハマるわけです。
「こうしておきませんと、ブラジャーなどに押されて、高さがつぶれてしまいますから」と説明されます。
壊れ物を保護する、梱包材みたいなものですね。周りを要塞で囲って高さを守るわけです。
今日からお風呂に入って石鹸で洗ってもいいけれども、洗い終わったらスポンジで乳首を保護して、眠る時にもはずさないようにといわれました。
確かに、うっかりうつぶせに寝てしまいますと、まだまだ”ヤワな”乳首がつぶれてしまうような気がします。
ではブラジャーはどういうものをするのかしら?
いよいよ乳房形成の最終段階の最終段階。乳頭の抜糸の日が来ました。
あたしにとって2週間貼りっぱなしのかゆいかゆいガーゼと絆創膏をはがしてもらう、そして自分の作られた乳首と”初対面”、さらに協力したため少し縮小している”オリジナルの乳首”と”再会”するという、待ち遠しい日でした。
さて。移植された皮膚はそこに”着く”のにたっぷり一週間はかかるのだそうです。それが落ち着くのにまた一週間。
ですから、片方から取った皮膚で乳頭を作る手術のあと、抜糸をするのはその2週間後でした。
抜糸まではガーゼと絆創膏で胸が固めてあります。
つまりね。2週間は自分の乳首は見られないのです。