2006年8月アーカイブ
あたしは、『左乳房全摘出同時再建』という手術を受けております。今年の1月末のことです。
『全摘出』というのは、乳腺を全部切り取るという意味です。乳癌は乳腺にできる癌だから、それを全部取るわけ。
『全摘』の反対語はいわゆる『温存』。
癌のある部分だけ切り取って、あとの部分はなるべく残そうというのがこれです。
あたしは一回目の手術ではこの『温存』をしてもらいました。癌の部分だけ切り取ってあとは温存し、すこし小さめのおっぱいになってたわけです。
無事に仕上がったそれをかぶって家に帰ってくる道すがら、ずっと後ろについて歩いている人がいました。
帰る方向が同じなのであろうと思って(さすがにストーカーか?などという疑いは持たない、あまり自意識過剰じゃないあたし)道曲がる時に振り向いたら、我が夫じゃないのさ。
それで。
500円で前髪切ってもらいながら「夏休みにいきなり服装変わったり髪の毛赤くなったりするいわゆるひとつの”女子高生夏休みデビュー”」などの話をしながら、カツラは何とか普通に装着できる状態に整いました。
激若いおねえさんの、「ついこの間なんだろうなー」と思われる女子高生ネタと、あたしの、「何十年前なんだべ?」とわれながら記憶も彼方の女子高生ネタは、なぜかたいしたすれ違いもみせずに”調和”していたようであります。
女子高生の生態、あまり変わっていないのであろうか?
だけど校則くぐるのに黒髪のカツラってやつはいなかったはずだ!
なんちゃらかんちゃらウソついて、パーマかけてるやつはいたけど。(これは中学。あたしの行った高校は事実上服装に関する校則ゼロであったからして)
校則ゼロでも学校に化粧してくる子は昔はゼロに近かったもんです。でも今はかなり見かける。
ともあれ。Newかつら完成!
その店では、そこで買った製品の場合、カットは安くやってもらえるのです。前髪だけだと500円。
全体をカットしてスタイリングをやり直すとしても2000いくらかなのよ。
それで、切ってもらいにもう一度行ったの。
そのカツラを装着して行こうかとも思ったんだけど「ひきこもりオタク風の女」が電車乗っているのはちょっとコワイので、やっぱりいつものリカちゃん毛髪内帽子でお店に。
試着室で現物をかぶって出てきて鏡の前に座り、前髪を切ってもらう間、そこの激若いおねーさんとしゃべっていたのですが・・・まず質問。
「なぜここの店は人毛カツラをこんなに安く作れるの?」(2万円台は初めてだったので)

瀬戸内寂聴から金属タワシまで、さまざまたとえ話を駆使して描写しておりますけれども、もしや伝わらんこともあるかもしれません。
そこで、絵をつけてみることにしました。
実はあたしはイラストレーターなんです。
これは、カッパになった気分を表したものです。
いいのかこれで。
取り寄せてもらって我が家に持って帰ってきた、若い子用激安しかしながら人毛のカツラ。2万3千いくらか。
家に帰ってきて冷静な目を持って吟味することにします。
色は愛用のリカちゃん毛髪と程近い。
やや薄毛で、あたしの毛が生えていた時のボリュームにも近い。
ヘアスタイルは、内帽子よりはかなり長いですが、まあ長い分には切ってもらえばいいから、家族に意見を聞いてカットしに行けばいいわ。
被る。
前髪が長い! 試着したやつよりうんと長く感じる。
色が濃いからか。
なんなんつーか、見た感じ重いな。
それでも家族に虐げられて押入れに在庫しているフルウィッグよりずっと自然です。
ヘアスタイル自体は、若い子向きだけあって、ものすごーく良くあるやつだから。
ショートっぽくしているけど、裾のところ、首の周りにはねて踊っているやつがあって、顔の周りを、ゆるくウエーブがかかったやつが取り巻く、いわゆる『モテ髪』ってやつ?
モテないけど。髪だけじゃ。どう考えても。
それを、やや暗めの色合いで、あたしの顔に乗っけた場合ですね、今度は何に見えるかというと、シャイなオタクみたいだったです。
パチンコ狂いのもと不良のおばしゃんよりは、シャイなオタクのほうがキャラに合っていると思って、思い切って、朝、ゴミ出しの時に、そのカツラを被って外に出てみました。
人に会わないように、朝5時に出たのよ。
カツラを装着して試着室から出て全身が映る鏡を見てみましたら、これがカツラには見えない。
こういう頭もあり?って感じ。
ありだけど、かなり”不良っぽい”っちゅうか、「ぐれた青春でした」、みたいなおばしゃんにみえるんですわ。
たぶん、色が明るすぎるのよ。
よく、パチンコ店なんかで、タバコくわえながら何時間も遊んでいる、迫力あるおばしゃんがいるじゃないですか。赤い髪の毛して。
ああいう人に見えるのよ。
あたし、そういう人じゃないんですけども。
いや、ホントにカツラって面白いよ。
タバコくわえてがはははは、とか笑ってみたくなったもん。
ともあれ。
若い子向けの激安人毛カツラで、これで色が暗ければいけそう、ってことがわかって、あたしは非常にハッピーになりました。
それで、同じ形(やや薄毛)で「今日被ってきたやつと同じような色のやつ」って言って、取り寄せてもらうことにしました。
それで、「今日かぶってきたやつは、内帽子だから、帽子脱げないの」と説明しました。
そしたら、「これ、全然カツラってことわかりませんね」だって。
あのね。君はカツラ屋さんだろう。
カツラ屋さんとしては、「プロですから人工毛だってことはわかりますけれども、ホントによくできていますね」ぐらいのことは言ってもらいたい気も5パーセントぐらいするけどな。
さて、注文の品は10日後に入荷したんで、あたし取りにいきました。
わくわく。
しつこくつづく。
そしたら、わりとまともなもんがあるじゃないの。
しかも安いのよ!6000円ぐらいからある。
若い販売員が声かけてくれるんだけど、試着するには生頭になんないとならない?
それってためらわれるし。
パルコのなかで、通路から見えるしな。
ほかのお客さんビビるとなんだし。
みんな思い切り若そうだからな。
怖がるかもしれないぞ。
なので、言ってみました。
「あたし、今抗癌治療中で、頭髪がないんです。この髪もウィグなんです。試着したいけど・・・・」
そしたら「今、試着室空けます。荷物いれちゃっているから」とかいってな。
あったんだよ、洋服屋さんと同じカーテンつきの試着室が。(倉庫兼用風だが)
そこに、鏡もあって。
おねえちゃんが次々とお勧めのウィグを運び入れてくれるわけです。
洋服屋さんとまったく同じですね。
で。わかったことがひとつあります。
生頭の頭髪も順調に伸びていますが・・・・”そろそろリカちゃん毛髪状部分カツラ”には飽きてきました。
何度も申し上げますが、これは帽子の下にかぶるメッシュの内帽子に裾の毛と前髪がついているだけのものであり、キャップや帽子を脱ぐと「”河童”のお皿にメッシュがかかっている」といった様相になるため、帽子が決して脱げない、という不便があるのです。
あたしはキャップをしこたま持っているのですが、色をとっかえひっかえするのもこう毎日だとつまんない。
違う頭になりたい。違うあたまに。
帽子のない頭に。
つば広帽子(これもたくさん持っている)もかぶりたいけど、これを室内で絶対脱がない人というのは、ある種異様なんで、いまいち踏み切れんのであります。
さりとて、もうひとつ買ってあるカツラは、暑いだけじゃなくて家族の評判がいまいち。
「老ける」
「ダサい」
「頭でかっ」
「毛が多すぎてキモい」
「一時代前」
ここまで言われますとね、「これ4万近くしたのよ」というセリフもかなりむなしい。っていうか、これ、”いまいち”というレベルじゃないって。
乳ガン患者は”基本的には”けっこう元気に見え、元気じゃない時は、『治療中』であるからして、むしろそれは前向きな時間なんだ、っていう話のつづき。
病気を持っている人が、見かけ上元気だったり元気でなかったりすることは、周りの人に多大な影響を及ぼします。
周囲の人は病気の中身なんかについては、知らないし、くわしい話なんかされてもたいがい覚えられないでしょう?
だから、その人を心配していれば、会ったりしたときに”元気”か”元気じゃない”かですべてを見てしまう、ということがあります。
だけど、それだけで判断してますとね、けっこう誤解をしちゃうのよ。
医学ってややこしいじゃん?すぐ新しくなっちゃうし。
素人って、当事者になるまで、あんまり調べたりしないから、病気に関しては、割と「誤解がいっぱい」、という状態なわけですよ。
何でこんなこと書いているかといいますとね、ある人に、こんな質問を受けたからです。
で。
金髪にする予定ってのが決まってから、あたし、思い出したわけです。
確かあたし持っていたはずだ。
”金髪スプレー”。
これは髪の毛にスプレイするだけで、いろんな色の髪の毛になれるって言うシロモノ。
髪の毛の上に付着するだけのことなんで、シャンプーで簡単に落ちるわけ。
染めることなくいろんな色が楽しめる。
演劇の人とかも使うし、パーティーでふざけた仮装をするときにも重宝なのよね。
あたしは一時期、そんなもんで髪に赤とか緑のメッシュをいれて遊んでいたわけよ。
今でも東急ハンズとかに売ってるはず。
それで、その残りがあるはずだ。
しかも金髪の。
それを使ってしゅーしゅーすれば、「金髪にするとだいたいこんな感じです」ってことがわかるんじゃん?
洗面台のガラクタをさぐること5分。
出てきました。
とっくに使用期限が過ぎてる金髪スプレイが。
生頭その後。
コハゲコウのようであった頭は、ダチョウを経て、オランウータンぐらいになってきました。
だんだん人間に近づいてきたってことであろうか。
娘と夫は
「ママもう少し顔が長くないと、サル類には見えない」
「いまいちサルとしてはいい形ではないね」
などと真剣に話し合っていたが、それは無視することにします。
「弱い野球部員」という表現もあんまり家族にはウケないかったな。あたしは運動がからきしダメなので、野球臭がしないのであろう。
だけど、「タワシになってきた」と言ったら「うんそうそう。似てる似てる」
と反応が。
何だか以前よりちょっと髪の毛が固いみたいで、わさわさっと立ち上がっているからね。(これは、薬が抜けるにつれて元に戻ることが多いらしい)
タワシといっても、あたしのは、白髪が多いから、なんか白いタワシがフライパンのススで黒く汚れてます、っていう感じなんだけど。
野球臭はないけど台所臭はするらしいぞ。
想像つきます?
で。
なんで「つわりみたいな感じ」という答え方だとちょっと困るかって話のつづき。
それは、つわりもまた、すごい個人差があるからです。その意味ではあたっているんだわよ。
だけどね。
「つわりのよう」という言葉をきいて、例えばつわりが特別つらかった女性は、ことを過大に認識してしまうんですね。
もうね。
見る間に顔が曇るから。
「何てつらい思いを・・・・二度とイヤだわ」などとおっしゃり、眼に涙が浮かぶんじゃないかしら、ってぐらい同情してくれてしまったりするんです。
あたしは別に何も大げさに言っていないのに大嘘ついてしまったぐらいの”効果”があがっちゃうから。
吐き気には個人差があるっていう話のつづき。
抗癌剤の副作用として、脱毛の次にユーメイな(?)この「吐き気」ですけれど・・・。
実はあたしは、あんまり強く出なかったんですわ。
その代わり長い。
すんごいあいまいーな吐き気がですね、だらだらだらだらと続いていたの。
繰り返しになりますけど、こういう副作用の色々は、ほんとに個人差があるんです。
だから「吐き気ってこういうもん」という話ではなくて、単なる1サンプルってことね。
あたしの場合、吐き気止めがきいているんだかいないんだか・・・・
実はガンなんです、ってことを人に話しますと、しばしばこういう反応が返って来ます。
「でも、元気ですよね」
「全然そうは見えませんね」
それから、乳ガンってものが大変増えていることの証左なんだろうけど、自分の周りの経験者のお話をしてくださる方も多いです。
「その人も乳ガンだったけど今はぴんぴんしてるよー」
「一時期は大変だったみたいだけど元気になってるよ」
そうなのよ。
確かにあたし元気です。 元気ですとも。
っていうか、乳ガン患者は、基本的には元気なんですよね。
少なくとも、周囲の目には元気に見えることが多いと思います。
それはなぜか?
あたしボケてた、って話の続き。
でも「今でもボケじゃんか。っていうかいつも?」という家族の声は無視しよう。
抗癌剤ってのは、基本的に、分裂が盛んな細胞をいじめる薬なんだそうです。
ガン細胞は、通常の細胞より分裂が盛んなので、主にそこんところを叩く!すると結果的にガンの息の根が止まる。
治療はそういうことを期待してやるわけです。
そのために、ついでに髪の毛やツメや、皮膚、粘膜など、やっぱり体のなかで活発に代謝している場所が一緒にいじめられてしまう。
それがいわゆる副作用なんですわ、と、あたしは聞かされました。
ガンを叩く、といっても、手術で病巣はすっかり取っていますから、術前にやるケースとは違って(それをやる場合もあります)、どこにガンがあるかはもうわかんないのね。
なんか、畳に隠れたダニを殺します!みたいな(このたとえでいいかな?汗)見えない世界。
見えないけど、顕微鏡で見ないとわからない、とか、顕微鏡で見てもわからないかもしれないぐらいの小さいガンの”芽”に対して、過酷な環境を与えて、育つチャンスを最大限つぶす、というのが抗癌剤治療の狙いなのです。
体っていうのは普通の細胞だっていっぱい働いておりますんで、とばっちりを受けてひどい目にあった細胞が色々と悲鳴を上げる。
だけど、お薬は、ガン細胞も普通の健康な細胞も区別はつけられないわけです。
ガンは、普通の細胞がヘンな風に突然変異を起こして(?)姿が変わって悪さをするようになったやつなんだけども、基本的に”異物”ではないんだもん。体の中の細胞の仲間なんだもん。
だから、点滴や経口で体に入れるお薬は、「ガンだけ選んできっちり攻撃しまーす」などという器用なことはできないのね。
クラスの中に不良がいても、みんな同じクラスメイトだよー、先生は差別しない!みたいなものかねえ。
差別しないで全員叩きます!特に君らのような活発に動くやつら!おい、観念しろ!ばしばしばし・・・・・(妄想中)。
で。細胞の活発なところ。髪の毛根、などがいじめられて毛が抜けます。体毛も抜けます。(まつげ、まゆげまでは来なかったけど、こういうところもすっかりやられるような強い薬もあるそうです)
ツメ、黒くなります。皮膚、ぼろぼろでシミが浮き出し、粘膜関係総じて不調。口の中が変。視力が落ちる。
体の”原材料”である血液もおかしくなってます。
白血球が減る。だから、抵抗力が落ちて、病気に感染しやすくなり、治りにくくなるといわれています。
そのため、ちょっとした風邪などでひどい症状に見舞われる人も出てきます。
このことはずいぶん脅かされました。(あたしはセーフでしたが)
吐き気もありました。
ただし、これにはかなりの個人差があるようで・・・。
つづく
抗癌剤のことについて忘れないうちに書いておこうかと思います。
あたしは化学療法(ECを3週間に一回×4クール)はもう終わってまして、今はホルモン療法に入っています。
その後血液検査で異常がなかったんで、ノルバデックスっていうかなり一般的なお薬を1日1錠のむ(だけ)という生活になっております。
ホルモン療法の他は切った方の乳房の再建をしてる途中。
あたしはこれも治療の一環と思ってます。(保険きかないけど。ぷんぷん)再建については稿を改めて書きます。
抗癌剤は今だんだん体から抜けてるところなんで、やっぱり日に日に元気になっていくというか・・・・あらためて、あれが体に入っている間はフツーじゃなかったのだにゃあ、と感じています。
入っている時は、いまいち頭がぼけてたんで(あたしの場合)、どこがどう不調かってことについても、あんまりよく認識していなかったんだわよ。
脱毛を別にすれば、なんか、”あいまいな”副作用”だったからねー。
あいまいなんだけど、確かにあたしゃ「具合悪ーい」状態だったわけね。
ただでさえ低値安定の生産性がさらにどどーん、と下がっていたから。
もうね、携帯でメール打つとか、そんなこともできなくなってたですね。集中力が落ちて。
打ってる途中で気絶してたから。
携帯片手に気絶。
ふっと眠りに入ってしまう。
(それで気がついたんだけど、あの作業って絶対ストレスかかるよ)
つづく。
生頭通信:14
髪の毛がいよいよ本格的に生えてきた。
今は、野球部員ぐらいの長さと密度。ただし、すっごく弱そうな野球部員ね。
マーブル状に白髪と黒髪が混ざっており、つむじを中心にそれが渦巻いている様子は、ロケットから地球を撮影したやつを白黒写真にしたみたいに見えなくもない。
なんせ、とにかく完璧に丸いからな。
いつの間にか汗はしたたらなくなっている。
髪の毛が、雨が降った後の芝生みたいに水分を含んでせき止めてくれるからだ。
だから山に木を植えるのは大切なのね。山に木がしっかりあれば土砂崩れなし!(連想がそっちに飛ぶ)
先ごろまでくっきりと見えていた頭の形が今は生えてきた髪の毛のせいでおぼろにかすんで見えるため、ここ数日は娘に「オボロゲ」という名で呼ばれている。
「ハゲ結露」→スキンヘッドに浮かぶ汗があたかも結露しているかに見えたため、娘が、ママ、頭が結露しているよ!と発言したことからついたあだ名。
「コハゲコウ」→ちょっと毛が生えてきた様子が、コハゲコウという絶滅の危機に瀕している鳥の頭に似ていることから夫がつけたあだ名。
「オボロゲ」 →説明は上記に。(ためいき)現在のコンディションね。
どの名前も気に入らんぞ。
ふん。
生頭通信13:
だいぶ毛が生えてきて、娘の評判が悪い。
「4対1で白髪が多い」なぞと観察しては、いやがっている中学一年生。
うるさーいのじゃ!
君の希望に添って頭剃っていたらだね、あたしゃいつまでもスキンヘッドから脱出できないんだわよ。
だから「半端しょもしょも期」は、まあ見苦しいでしょうが耐えるべしです。
すっごく短い白髪が、お料理に入っていたりした場合、それはあたしのものだとわかるので、謝らねばなりません。
細くてまっすぐで中位の長さなら娘の。
長くて波打っていて茶色いのは夫の頭髪ですがな。
超短い白髪が、洗濯物にも時々ついているそうです。
あまりに短いので、見落としてしまうのです。(気がつけばちゃんと取るけど)
つまり、頭髪のというのは、常に抜けているんですわね。
ぬけつつ、生えつつ、だんだん元に戻っていくのであろう。
生頭通信12: 07/12
湿度60パーセント頭汗11滴、とつぶやいていたら、夫に、「我が家的には”頭結露11”だろう」と言われた。(注:”頭の結露”;くわしくは次回に)
・・・・日本中に通じない語彙が増えてゆく。
ちなみに「ランボー」といったら、我が家的には「ママが袖のない服を着ている」という意味だ。
あまりに二の腕が太いので、袖がないものを着ているとランボーのようにたくましく見えるのだ。
最近そのランボーにも異変が。
昔から二の腕は太いことには太いんだが、以前はそれが「がちっ」としっかり太かったのが、近頃は「水の入った風船のよう」に太くなっているのである。
形的にも、まるでバルーンアートで作った犬の脚みたいに空虚な形。しかし中身は空気ではなく、水がぶんぶんに詰まっている、というというたたずまいなのね。
ちょっと印象はランボーから離れている。
どうやらあたしは「むくんでいる」のだな。
これも薬の副作用なのであろうか?
生頭の下に生えている首も、ちょっと前まで、室伏某のようにアゴからまっすぐ、同じ幅で肩につながってしまい、「おっさん首」の様相であった。
たぶんリンパ腺が腫れて首が1.3倍ぐらい(ちょっと大げさ)のボリュームになっていたのだ。
最近それはなくなり、今はほぼ元のように頭よりは細い首、というのが付いている。
だけど腕と手については、確かに形がちがっていて、今は結婚指輪もはずしておくことにした。
外れなくなるとえらいことになるからにゃー。
生頭通信11: 07/10
発見。
頭と言うのはかなりの汗をかいているようだ。
髪の毛が密集していて長い時には、それが汗を含んでいるため、頭全体が湿って、それが少しずつ蒸発して頭を冷やすんだろうと思う。
しかし、髪の毛がないと、汗をせき止めるものがなく、たらーるたらーりと、首のところに落ちてきて溜まるのであった。
なんっちゅうか、首の後ろのところ、カビみたいに髪の毛ちょろっと生えているところに、赤ん坊みたいにアセモできそうな予感。
リカちゃん毛髪は当然ながら水を吸いませんので、汗はその下に滴るもよう。
家族は暑さを測るもう一つのモノサシを発見したかのように面白がり、「湿度60パーセント、頭汗11滴」などと言いながら滴る汗を数えているのであった。
生頭通信10: 07/08
暑いので外出から帰ると、すぐに生頭に戻る。
それで、その、キャップと付け毛が一緒になって脱ぎ捨ててあるものを見ると、最近は「あ、あたしがある」と思うようになってきた。
家族も「こんなところにママがへちゃっと置いてある」と言う風に思うようだ。
カツラではなく、ママそのもの、がそこにあるように感じられるのだ。
そのぐらい見慣れたリカちゃん状毛髪。
ヘアスタイルというものが、人間の印象をほとんど決めているのではなかろうか?
めがねとか、帽子とかもそうだけど。
暑くてうだうだしてて、脱いだウィグをおなかの上に載せたまま昼寝に突入していることがあり、娘もあきれられた。
おそらくおなかにママの頭を乗せたコハゲコウが横たわっているように見えたのであろう。
何だかよくわからんな。
生頭通信9 : 07/08
暑くなってきたら、だんだん髪の毛伸びるの早くなってきた。(ような気がする)
ついこのあいだまでカエルのようにつるつるしていた生頭が、今はダチョウの頭のようになっているのであった。
あたしはダチョウだと言っているが、家族は『コハゲコウ』のようだ、といい、その写真をテーブルのところに掲示している。
どういう嫌味なやつらだろうか。
まあどっちでもいいか。
我が家はクーラーつけていない。扇風機だけで暮らしている。
なぜかと言うと、冷房に当たりっぱなしだと汗が出なくなって夏の後半にばてる、という経験と、電気代の節約。
それからクーラーそのものが、一台壊れたままだ、ちゅうことがある。このままもう一台のほうも壊れると、いざと言うときに死ぬ。たぶん。
ご想像の通り、とーってもとーっても暑いので、生頭+タンクトップ+スパッツ、というスタイルでパソコンを叩いたり料理をしたり絵を描いたりしている。(掃除と事務はさぼっている。ごめんよ)
しかしながら、この格好では宅急便がきたときに、さっと出ることができない。
出てもいいけど、こわすぎだろうにゃあ、と思うのである。
あたしゃ二の腕が異常に太いため、タンクトップを着るとまるでシルベスタ・スタローンの『ランボー』みたいに見えるといわれている。(ごく一部の目撃した事のある人間に)
それから、あたしのスパッツは全部黒で丈はくるぶしまで。
ヴィクトリアズ・シークレットで買ったやつだけど、スタイルの都合により、あたしがはいた姿から連想されるのは力道山である。
ダチョウの頭にランボーの腕がついていて、力道山の下半身なのだ。
しかも全体的に小さい。
想像できる人、エライ。
こわくて鏡を正視できないぜよ。(本人が)
生頭通信8: 07/07
頭に髪の毛がないというのは、それだけで迫力があったりする。
見かけ的に。
それで。その迫力のある姿だと、洋服との調和がなかなか測りにくい。難しい事が起きるのである。
通常の時、あたしは、洋服を選ぶ→着る→メイクをする という順序で一応の調和をはかりつつ身支度をするのであるが(普通だれでもそうだよね?)、
今は洋服を選ぶ→着る→そのまま生頭でおうちにいる
あるいは、
洋服を選ぶ→着る→メイクをする→帽子とリカちゃん付け毛をセットする(これがお出かけバージョン)
という二通りの身支度をしている。
問題は、現在どちらのバージョンにおいても、洋服を選ぶ時に、付け毛をしていないということで、生頭のまま鏡の前で服を選ぶと、なーんか何もかもが決めにくいのよね。
特にお出かけの時は難しい。
何となく、どの服も似合わないような気がする。
一応、頭の毛をつけた状態を想像して選ぶんだが、そしてたいしてたくさん服を持っているわけでもないのだが、「その日の気分に合った服をきるんだぜい!」という気迫が習慣化しているので、「これでいいのか?ええ?今日はホントにこれでいいのか自分?」という、イライラした疑問がわくわけだ。
さらに。
付け毛がない状態のほうが、色々な作業がしやすい&毛を汚したくないという理由で、生頭のまま先にメイクをする。
これがまた難しい。
生頭の迫力に負けないようにと無意識にバランスをとってしまうためか、かなりやりすぎてしまうのが常だ。
眉毛なんかききっとして、アイラインなんかもリキッドでびしっと入れたくなる。
色がびゅーっとしたアイシャドウとかのほうが「いいのでは?このほうがいいのでは?」という気分にもなる。
はては何色もの色を、目のあたりにグラデーションしてしまったりする。
で。顔を塗ったあと、まだウィグを着けていない状態ってのが、けっこう怖い顔。
ある時、黒い上下にカーキ色のテーラドジャケットを着て、メイクをしたら、何だかSFチックで、それだけで調和が取れてしまっているような気がした。
なんかすごくあやしいけどそういう人がいてもいいわよ、というような似合い方になっていた。
これにウィグをつけると、まあ、なんというか平凡?って感じなんですがね。
それで、生頭のまま娘の前で、「これってありじゃないかい?」と見せてみたら、「わ!何だか似合う」と言う。
だが、そのすぐ後に、「これで痩せていたらよかったのに(以前のように)」と言われた。
SFと生頭は調和するが、
SFと背アブラや腹アブラは調和しないようである。
生頭通信7:07/04
自宅で生頭生活を採択する理由は涼しいから、というだけではない。
ずっとかぶっていると「ウィグが臭くなる」というのもある。
人間、汗かくから。
何度も登場する、ネットのキャップに裾の毛がついているだけの部分付け毛であるが、あたしはそれを一個しか持っていない!
これが汗ででろでろになってしまうと、替えがないんである。
幸いこれは毛の分量も少ないので、水でしゃしゃっと洗って干しておけば数時間で乾くため、ほぼ毎日洗って干している。
乾きが早いって面でも、これはホントに優秀。しかもわずか6500円で、うちの母の保険診療による部分入れ歯と同じ値段だ。(関係ないけどな)
だが。さすがにこれだけ使用が激しく、洗いもひんぱんってことになると、少々傷んでくるんだよねー。
もともとナイロンの、リカちゃん人形についているような毛だしな。
洗い替えをもう一つ買っておけばいいだけのことなんだけど、何万も出して買って使ってないカツラがあるから、なんか気が引けるんだよね。無駄してるからなあ、間に合っているうちはお金使いたくないなあなどとね。
夫は「早くもう一個買っておきなさい。そうでないと、それがぼろぼろになって、新しいやつに変えたときに、あ、なんか髪の毛新しくなった!みたいな印象になってしまうぞ」とおどすのであった。
生頭通信6: 7/03
生頭にだいぶ頭髪様が復活なさってきている。
おかげでカツラ(部分付け毛つき内帽子)がずれなくなった。
要するにヴェルクロ(マジックテープ)みたいにしょもしょもっと生えていて、メッシュキャップにひっかかり、滑り止めになっているのであろう。
あたしは昔から(30代のころからだ!)かなりの白髪なのだけれど、ふだんはHennaで染めているので、どこからどこまでどのぐらいの量が白髪であるのか、はっきりしなかった。
あたまのてっぺんはすぐに真っ白になるので、そのへんは白髪占有区域であることはわかっていたが、首筋にちかいところはまだ黒い、と美容院で言われていて、その他のところはごま塩、と言う感じであろうかと思っていた。
このたび、染めた部分がきれいさっぱりない状態で、白髪と残り少ない黒髪の占有関係がはっきりとわかるチャンスが来たといえる。
今のところ白髪面積が圧倒的に多い。 前髪にじゃっかんの黒い部分がなくもない。
さて、いまだつるつるのところにはどっちが生えてくるんだろうかのー。
