2006年7月アーカイブ
生頭通信5: 7/02
シャンプーはラクだ。
顔を洗うときの石鹸をあたまに回してくりくりっとやればいいのである。
タオルでごしごしやることもできる。
大変さっぱりする。
化学療法の間、痒い時だけは、バルガスなどの薬用シャンプーとリンスを一滴ばかしずつ使っていた。効果アリ。かゆみが吹き飛ぶ。
頭をごしごし洗っているくせに、胸の方はそーっと泡つけて洗うだけにしていた。(再建のためのエキスパンダーが入っているため、皮がいっぱいいっぱいまで伸ばされていて、押すと痛いからだ)
そしたら、先日、何度目かの水を注入する時に、「垢がたまっています。もっとごしごし洗ってください。汚れがたまると皮膚も伸びが悪くなるし、シミができたりして、色が悪い仕上がりになるから」といわれた。
形成外科って厳しい。
今310CC入っているけど、まだまだ入れるらしい。(健康な胸の1.5倍ぐらいまで大きくして、皮が充分伸びた状態でシリコンに入れ替えるのだという)
胸と言うのはCCで測るものなんだわな。(頭から話がずれているけどご容赦ね)
生頭通信4:7/01
かなりハゲなおっさんのあたまのてっぺんとの共通点は、「日に当たってすこし光っている」ということろだ。
”ハゲたて”の頃は長いことヒゲを伸ばしていた人が「剃りましたよ」というのと同じような、あおあおとしたひ弱な皮膚だったし、副作用で皮膚炎が出ている時もあってうろこ状?に毛羽立っている時期もあったが、最近は光っている。
色もついてきた。そこに白髪がうっすら生えているのであった。
ああ、あげたてのてんぷらが食べたい。(単なる音による連想)
生頭通信3: 7/01
ハゲが始まった頃写真で記録も取った。
だんだんはげてゆく記録だ。
デジカメで、毎朝 後ろ、横、前、と3枚ずつ撮ったのだ。
最近は変化がないので撮っていないが、ずぶずぶと抜けていく時は、一日で様子がかわるので、段階写真として面白かった。
デジカメのモニターにつぎつぎと映してみると、3方向撮ってあるので、あたしがバレリーナのようにくるくると回りながらだんだんはげて行く、というアニメーションのように見えるのであった。
写真撮る時に三方向なんかで撮ると、そこはかとなく『犯罪者の記録』みたいな感じがするので、それを避けるために、あたしは無理にもニコニコと笑っている。
そんなわけで、笑いながらくるくる回りつつハゲてゆく、というなかなかキモおもろいものになっているんだよ。
生頭通信2: 6/30
カツラに関してはメッシュのキャップにすそだけ毛がついている『内帽子』とギョーカイでは呼ばれている例の部分付け毛が、結局一番すごしやすいのでそればっかり使っている。この部分付け毛とニットキャップの組み合わせでおでかけするのだ。
ニットは麻とか、なるべく風通しのいいものにする。
特に暑くなってからはうっかりちゃんとしたカツラ(頭を毛皮が覆い尽くす、っちゅう感じですな)なんかかぶれん。
かぶれるけどもかぶれてしまう・・・ってええいややこしいな。着用することはできるが皮膚炎ができるであろうということじゃ。
部分付け毛であっても、梅雨だし、今年暑いし、やっぱ蒸れる。
外出して、帰ってきたとき、キャップと付け毛すわわっと脱いだときは夢のように頭が解放される。
一瞬、たいへんすずしい。
生頭はラジエーターとしても優秀であるゆえな。
メッシュキャップつき部分付け毛で困る事がひとつある。
外で帽子などの売り場を見ることがあるんだけれど、上のニットキャップを脱ぐとかなりこわいということだ。河童のおさらがメッシュ柄になっているのかも、といった風情になってしまうからにゃー。
仕方がないので、帽子の試着もニットキャップの上からやる。相当変わった人しかしないファッションだ。
当然頭の大きさの正確なところはわからんので、いまいちの着け心地。
しかしなあ。帽子は買わないとならないんだわよね。
で。がんばって試着をしてますとね、ずれたり取れたりしたりするんだわよ。
まあ、これは事故ってことで。見なかったことにしてください、ということで。 (ならないか)
前髪が移動する人とか見たら、それ、と思いたまえ。
脱毛ってのは、抗がん剤の副作用のうち、もっとも有名と思われるものです。
見た目が変わる、というわかり易さにより、周囲もその人が病気だっていう現実を突きつけられるし、本人も「つらい」「いや」なことだと言うことが多いですよね。
だけど、実際脱毛してみますとね、これが面白いことの宝庫で、どうせならもう少しハゲでいてもいいかな、と思うぐらいなのよ。まあ、あくまであたしの場合ですが。
自分の頭の形など初めてしみじみ見た。これが完璧に丸くて、ほんと玉のように素晴らしい。
小さい頃から「お鉢の形がいい」って言われてたけど、ホントでしたわ。(自慢)だけど中身の方は結構あやしいのよ。(謙遜)
今まで頭髪の中に隠れていた”シミ”も発見した。ゴルバチョフさんの頭にもあったでしょう。あたしにもあるんですよ。シミ。玉に瑕ってやつでしょうかね?(違うって)
あんな地図みたいな形してないけどね。
カツラも未知の世界だったしねー。今もよくわかってないけど。かぶって生活してみないとわかんないことが色々あります。
「髪の毛は戻るから大丈夫。(悲しまないで)」って感じで何人もの人がはげまして(いや、シャレじゃなく)くれたけど、あのね、別に悲しんでませんってば。
今現在も、まだ毛が失われてまして、まだ生え戻ってない状態でこれを書いてます。自宅なんで、生頭(カツラを脱いだ状態)でおります。
で。友人に「自宅では生頭で暮らしている」と言ったら、どんな感じだ?って質問が来たので、『生頭通信』ってのを超内輪掲示板に書いて遊ぶことにしました。
こういう遊びをすると、喜んでくれる人もいます。
その一部をご紹介しましょう。
まず、あたしの頭の形がいいことから「スキンヘッドが似合いそう」っちゅう意見を複数いただいておりまして、(暗に、その頭ハゲているところ見てみたい、と言われているようなものだが)いっそのこと、剃刀できれいに剃ってしまったらどうか、と提案された。それに対して。
****以下、『生頭通信』コピペ*****
生頭通信1:6/30
なまあたまは、すぐ半端な毛がしょもしょもと生えてくるので、剃るのは案外面倒なのである。
ちょっと剃ってみたけど面積がことのほか広い。
脱毛したことはしたのだけれど、全くつるつるになることはなかったのね。 ちょっとだけ残っちゃったんだね。
ところが半端に生えているというのがけっこう怖い。
口の悪い中学生の娘に、「地獄絵に出てくる餓鬼のようだ」とか「妖怪のようだ」とか「死体のようだ」「マジキモイ」とか色々いわれ嫌われるので、一度は美容院で思い切りスキンヘッドにした。
一休さんというか瀬戸内寂聴というか、あるいは、オースティン・パワーズに出てくるミニミー?(チビだからよ)みたいな感じになり、その時は娘は「ましになったましになった」と喜んでいた。
しかしながら、すぐ生えてくるわけよ。だけど生え方はまだちゃんとしていないのよ。
「半端なのいやー。またつるつるにしてきて」って娘は言うんだが・・・・しかしね。そうするとあたしはいつになったら毛が生えそろうんだよ?
今それが問題になっておるのじゃ。
元に戻る過程で、どうしても半端ってのはあるんじゃないのかね?
真夏本番です。
でね。
カツラは暑いのです。
だって頭に毛皮巻いてるみたいなものだからな。
どうだ。想像するだに暑そうだろう。暑いぞ。(いばってみる)
それから、わりと締め付け感があります。慣れてない場合、2時間ぐらいすると、「ききーっ。早くお家に帰ってカツラ脱ぎたい」という思いに駆られます。
メガネに慣れていない人や、帽子に慣れていない人が、ああ、うっとおしいぜよ、と思う、あれと似ています。
脱ぐと、こめかみのあたりを結ぶ線が、”カチューシャ状の”跡になっていたりします。
これは、おパンツなどの食いこみ線が体に残るのに似ています。
それで。
結局ちゃんとしたカツラを買ったものの、それは全然使わなくて、もっぱら『内帽子』というやつだけが大活躍しておりますの。
内帽子、というのは、前にもちらと書いたけど、帽子の「内側」に被るメッシュの薄いキャップで、キャップの裾のところに、フェイクなナイロン製の毛髪が貼り付けてあるのです。
もうね、リカちゃん人形みたいな、つやつやの茶色い髪の毛なんだよね。
これと帽子やキャップを組み合わせると、はみ出した部分が髪の毛に見えるのですが、人間の目ってのはそれだけで、「帽子の中にも髪の毛がある」という認識になるわけですね。
前髪と、横と後ろ、ぐるっと頭の周り、耳から下の部分しかないのに。
これが一番「涼しい」んですよ。
寒いうちに脱毛が始まったんだけど、その時期は毛糸のフィットキャップを被っていて、今はそれをコットンとか、麻のニットとかに替えてるわけ。
締め付け感もなし。
洗うのも簡単。
で。これ、バレません。少なくともあたしばれた事ないと思います。
みなさん「まあ、髪の毛切ったの?」とか「染めたの?にあうー。かわいいー」とか、褒めてくれます。
ひどい場合は、「ずいぶん若返ったねー。前よりずっといいよ」などと言われ、「そんなにあたし老けてると思ってたのかよ、おいお前」と思ってむっとするぐらいですわ。
もちろん、いかにもズラなんだわ、と思っても、人は、「わー、ズラですねー。ウィグですねー」などとは言ってくれないでしょう。
でもだったら、その話題には触れないと思うのよね。
褒めてくれるってのは、気がついてない証拠になると、あたしは見ています。
さて。毛髪ががっつり抜けきる前に、患者はゆるりとカツラ生活にすべり込みます。
これについては、早めに手を打っておかないとなりません。 なぜなら。
あのね。
本格的にハゲてしまうと、カツラを買いにお出かけすることも難しくなってしまうからなのよ。
患者というのは、けっこう病気のことって考えたくないもんだから、案外何もしないうちに時間が経っちゃったって、ことになるのよね。
あたしの場合はどっちかというと、「楽しみにして」たんで、ちゃんと前倒しで用意しました。毛があるうちに。(笑)
あたしが実際にやったことを順番に書いておきます。
①医者に脱毛の可能性を知らされる
②美容院に行ってショートヘアにするついでに、「あのー。まもなく脱毛する予定でーす。その時はお世話になりますー(カツラのカットなどに際して)」と宣言する。
③色々とカツラの情報を集め、【ガン患者をサポートするお店】に予約を入れて訪問。複数のメーカーの、違う価格帯のカツラ類を1時間以上かけて試着の末、購入。その際、ターバンや帽子や手入れ用品その他も一緒に買う。
④最初の抗癌剤を点滴して2週間、いよいよハゲ本番。
⑤カツラデビュー!
⑥美容院に行って抜け残った髪の毛を除去してスキンヘッドにする。
⑦もうすっかりカツラーとなる。
で。④と⑤の間にも、行きつけの美容院に行って、買ったカツラを顔に合わせてカットしてもらったりしてます。カットに5000円ぐらいかかったな。
カツラ本体は人口毛で、安い方のやつで、4万円弱。(もっと安いのもあります。でも、医療用のはこのぐらいのが多い)
その他、帽子の下にかぶる、『内帽子』というやつも買いました。これが6500円。メッシュキャップにニセモノの毛髪がついていて、帽子からはみ出した毛を演出するってやつです。帽子を脱がなければ毛があるように見える、というシロモノなのよ。
でね。カツラのかぶり心地なんですけども・・・・。つづくー。
今、あたくしはカツラ生活をしています。
髪の毛があんまりない、というかまだ生えていないからです。
手術のあと、抗癌剤治療をしました。たいしてきつい方ではないかと思うのですが、ECってやつを(なんだか使う薬によって治療コースにいろんなヨコモジ名前がついてるんです)3週間ごと4クール。
で。最初の薬を点滴してから2週間たったら、ぼさりぼさぼさと、髪の毛が抜け始めました。
髪の毛じゃないところの毛の仲間もみんなおおかた抜けました。
腕なんか、まるで脱毛エステ行ったみたいに、つるんつるんになりました。(おほほほほほ)
「もはやわたしたち、”ふるさと”に全く執着はありませんー」ってな感じで、根性も抵抗力もなく、さようならしていく毛髪たち。
「うわー。話には聞いていたが、こんなことになるんだわねー」と感心しました。
だってね、あなた、お散歩しているとするでしょう?あ、なんか頭がかゆいわ、と思って手をやると、その手にお付き合いして、筆が一本できそうな量の髪の毛が頭を離れるのよ。驚くわよ。
小一時間お散歩して帰ってくると「あら?ヘアスタイル変えた?」ってぐらい、ボリュームが減ってた、なんて日もあってねー。
それで。
あっという間に「いかにもガンですー」という頭になりました。
ですので、あらかじめ用意をしていたモノをかぶることにしました。
でもね、カツラって難しい。
つづく。
こんにちは。SYNDIといいます。
そのへんによくいる乳ガン患者です。
ほんとにそのへんによくいる時代になったので、カミングアウトして、「いえーい、たいしたことじゃないぜよ。もっと笑おうじゃんよ」と発言することにしました。
「笑い事じゃありません!」と思われる方はどうぞスルーしてください。
病気なんかになりますとね、もう毎日知らないことがいっぱいなんで、驚いたり笑ったり怒ったり、大変忙しいんです。
わかんないことが増えるので、勉強もしなきゃなんないんですけども、けっこう色々な人が細かいことを教えてくれます。
特に同じ病気をした人は、本当に親切で、あたしはびっくりしました。
「これがネットの時代ってやつなんだな」と思いましたよ。
もうね、告知されて、ネットで色々と調べはじめてから2週間で、手術の方法や医療事情、費用について教えてくれる仲間が10人ぐらいもできていました。
それぞれが思いやりのある言葉をかけてくれるわけです。会った事もないのに。
すぐに会ってくれた人もいた。
自分の再建した胸の写真を見せてくれた人もいました。「こういう風になるのよ」という現実を見ることは、医者の話を何百回聞くよりも実際的です。 あたしは大変感激したんですわ。
そんなに信用してくれちゃっていいの?って思うぐらい。
だけど、患者はそれぞれ「何で私がこんな病気に・・・」っていう孤独感を味わった経験があるから、次に続く人にはつらい思いをしてもらいたくない、って気持ちがすごく強いんだよね。
おかげで、あたしはめそめそしているヒマとかもほとんどなくてなー。わはははは。
乳ガンはじぇんじぇん孤独な病気じゃなくなった、って思ったわ。
昔は場所が場所だけに、おおっぴらに言う人も少なくて、すっごい寂しい思いをしているっていうイメージがあったんだけどもね。
にわかにできたおっぱい仲間は、”おっぱい事情”がそれぞれ違うんで、それを覚えるだけでも忙しいしさ。今でもなかなか正確には思い出せないよ。(笑)すみませーん。(涙)
えーと、あの人は左胸で転移なくて、温存手術で、あっちのあの人は転移あって、全摘で再建はまだで、あの子は全摘同時再建。何県の何さんは再発あって再手術がもうじきってな感じで、ぜーんぶ違うから。
おっぱいに対するこだわり方も、悲しみ方も全部違うしね。
てなわけで、メモリーがかなりあやしいあたしですけども、書きます!よろしく。

